ぬし。 2017-02-11 19:54:57 |
通報 |
【 文月 】
…本当?──随分素直に応じてくれるんだね?
( 予想していた返事と裏腹な返答が返ってくると大袈裟なリアクションこそしないものの、きょとりと目を丸めて瞬きを繰り返えせば嬉しそうに歯を見せて笑ったのも束の間、それならば特別なことはせずお気に入りの場所で想い人との時間を満喫しようと断りもなく相手の手を強引に取っては腕を引きずんずんと歩みを進めて。そのお気に入りの場所というのも音楽室、今日の曜日のこの時間は丁度教師も生徒も全く出入りしない時間でいつも授業をサボる際には屋上か音楽室の二択。ならば向かう先は一つだと音楽室へ軽い足取りで歩みつつ、説明がないと不安だろうと相手の方へ振り返ると「大丈夫、ちょっとお話がしたいだけだよ」なんてまるで変な事はしませんという言い訳染みた笑みを見せていると、すぐそこに目的地が見えて来て )
【 花宮 】
──へぇ、盗み聞き…ねえ?
( 予想を裏切り小柄な女生徒が教卓の影から姿を現すと不気味ともとれる愛想の良い笑みを浮かべたまま目を細め、教室のドアをゆっくりと締め外部をシャットアウトすればより一層黒い笑みを濃くして。だがしかし彼女との接点が見つからない、確かに己が覚えていないだけで言葉を交わしたことはあるのかもしれないが、部活内での接触があった訳でもないし見たところ自身のファンという訳でも無さそうだ。だとしたら何だと言うのだ、なんて思考を巡らせていると彼女の口から出た盗み聞き、という単語に又特徴的な眉が微かに動き上記を意味深に呟いては教卓の方に立つ相手へと一歩、また一歩と近づき距離が縮まった頃にはもう猫を被る様子はなく、ただただ眉をひそめ「ナメた真似してくれんじゃねェか、…それで?何が目的だ?」と身長差のある相手を見下ろす形で視線を向け )
トピック検索 |