風人 2017-02-09 19:49:33 |
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マリア様がみてる いばらの森/紺野緒雪/集英社 コバルト文庫
マリア様がみてるで屈指の人気キャラ白薔薇(ロサ・ギガンティア)佐藤聖を主人公に置いた物語。
聖さまの過去に触れる主人公福沢祐巳と島津由乃。
自伝的小説がとある人物によって発表され舞台となるお嬢様学園であるリリアン女学園は騒然となりふたりは聖の悲しい過去を知る。
かつての聖はとっつきにくくひと付き合いが少ないなか山百合会(生徒会)に属すもひとりであったが久保栞という生徒と知り合いふたりは百合の関係に満たされる。
しかしそんな時も長く続かず栞との関係が学校に知れ親や大人との関係に反発を示すもなす術なく久保栞は学園を去ってゆく。
それを知った祐巳と由乃は由乃の従姉である令を伴い出版社をたずね出版された本について事実を知る。
実は出版された「いばらの森」は作者の創作であるらしいとわかり作者のペンネームもあたりまえだが聖自身とは無関係の偶然の一致だったと知る。
ラストは山百合会のメンバーと共にクリスマス会を迎えハッピーエンドとあいなる。聖の悪戯に悩まされる祐巳であるが。
同時収録には若き日の佐藤聖時点の「白き花びら」があり久保栞との関係がより明確に書かれまさに百合小説の真骨頂ともいえる名作。
耽美な物語といえる。
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