風人 2017-02-09 19:49:33 |
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機動警察パトレイバー シンタックスエラー/横手美智子/富士見ファンタジア文庫
同名アニメノベライズを横手美智子氏による書いた一冊目。
アニメや漫画とも異なる香貫花・クランシーが抜けた第二小隊に新たに配属される熊耳武緒ことおタケさん登場編の『シンタックス・エラー』と篠原重工の次男でありながらなぜ遊馬が警察官をし特車二課に来たのか。
また彼の父親の確執とはいったい何かに踏み込んだ『父の息子』の計二編を収録。
熊耳登場編は後藤喜一の姪の真帆子の勘違いや思い込みから始まり彼女と野明は熊耳が勤める(正しくは潜入捜査)バーに入り込み誤解やてんやわんやがあった後に事の真相がわかる物語。
かたや『父の息子』は遊馬の苦い過去が書かれ彼にかつて兄がいたことが明らかになりしかしいまはその兄は亡くなっているという。
また父親が口にする“篠原”が家族ではなく会社であることにも確執を呼んでいることも明らかとなる。
優秀だった兄やまた兄のかつての婚約者そして父や祖父の確執、篠原重工の後継者問題などが浮き彫りにされて遊馬が彼なりにしがらみや家族に葛藤していたという物語。
ロボットアニメとしてのパトレイバーというよりは確執ある人間ドラマとしての側面が『父の息子』は強調されている趣があると思われる。
『父の息子』においてヒロイン野明が遊馬に対して女性らしい一面があらわれるのは書き手である横手美智子氏の手腕と思われる。
横手美智子氏の小説に興味ある方は『パトレイバー』シリーズは読む価値はあると思います。
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