侑帆 2017-02-04 17:40:49 |
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…私、今何言われた?
『好き』、そう聞こえた。すき、すき?好きって何?ああ、花か。
「あ、ああ、花ですか?綺麗ですよね」
「違う、花じゃなくて、あんたが」
「…え」
「す、き、なんだけど?何、もしかして日本語分かんない?」
『好き』?
え、まって、なに???好き、って?ええ?ん?はー?
クエスチョンマークが頭の中で踊り軽くショートして。この人だれ?まずはそこからだ。見た目からして女子に人気な方だろう、しかも先輩。そんな方と私はあったことなかったはずだ。いやまず、お父さん意外の男の人と話すのはいつぶりだろうか。
…もしかしてこの方、人違いをしてるでは?
「あの、私一年の瀬戸口奈緒って言うんです」
「知ってるけど」
「…多分貴方が好いてる瀬戸口奈緒さんと違うと思いますけど」
「いいや、君は俺の好きな人だよ。瀬戸口奈緒ちゃん。」
甘ったるい声でそう言われた。駄目だこの人。そう本能が叫んだ。無理だ無理、この人、人間的に生理的に無理だ。咄嗟に立ち上がり全速力で走れば玄関に置いてあった荷物を乱雑に掴み家へと走り出して。やっとの事で家につけば慌てて扉を閉めてドタバタと自身の部屋に向かいベッドに飛び込んで。
なになになになに???
好きっていった?あの人。急に何、誰あの人。
頭がよりいっそうこんがらがる。急に怖くなって瞼をぎゅっと閉じれば走り疲れたのか一瞬で夢の中へ入っていき…
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