侑帆 2017-02-04 17:40:49 |
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今日はいつもと同じ1日だった。
…同じになる筈だった。
朝は6時に起きて母が目玉焼きを焼く音と父が珈琲を啜る音が響くリビングに向かって椅子に座る。10分後、丸焦げになった目玉焼きが現れて真っ白なご飯が出てきたと同士に目を擦りながら降りてくる妹を横目に見て目玉焼きにかぶりつく。食べ終われば顔を洗って歯を磨いて、適当に髪をくしで抑えつけ真っ直ぐにすればメイクなどせずいそいそと洗面所を抜け出し、校則通りきちんと制服をきて部屋を出れば30分程ずっと洗面所に籠もっている妹を見て中学生の癖に色気好き追ってと少々呆れて。家を出れば歩きなれた道を一定のリズムで進んでいき二番目の角を曲がればそこはいつもの学校。校門を抜けて玄関へと向かえば今日もまた土埃の香が漂い入学時は顔を歪ませるほど嫌で不快な匂いだったのに人の慣れは怖いと思い何食わぬ顔で玄関をでて教室に向かって。がやがやと喧しい周りの声と裏腹に自身は静かに席につき黙ってチャイムが鳴るのを待ち。高い声で挨拶をする生徒に人気の美人教師が教室に入れば慌ただしく周りが席につき下品な男子達が教卓の前の彼女の胸を凝視しており気持ち悪いとおもいつつもふいと知らないフリをして。朝の挨拶が終われば授業が始まる。一限、二限、三限、四限…ようやく終わり。さっさと片付けて帰ろう、そんな風に思っていたのにクラスの環境委員の女子から嘘臭い理由を並べられ仕事を押し付けられれば軽く溜め息を吐いて花壇に向かい土を変え花を植えて。ああ、最悪、ポツリとそんな風に声をあげちらりと花壇を見れば綺麗に咲き誇る花々に罪はなく一つ一つの花がきらきらと輝いており思わず笑みが零れた。
一瞬暗くなってなんだ?と後ろを見れば高身長のスラリとしたイケメンらしき男子生徒。風貌からして先輩だろうかと呑気に考えていれば、
「あのさ、好きなんだけど」
「…は?」
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