2017-01-22 11:56:40 |
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うーん、そうねえ。みんな可愛いけれど……
( 冷たく吹き荒ぶ寒風がないだけ足を踏み入れた店内は外よりも暖かくて、何より久しぶりに見る女の子らしく煌びやかな雰囲気に気分が高揚するのを感じ、それも隣にお友達が居るなんて。貴族の家で暮らしていた頃もアクセサリーに不自由はしなかったけれど一方的に与えられるばかりで、思えば一度も選ぶ権利なんて与えられたことがなかった。目的を忘れた訳ではないにしても姿勢の低い己に見えない商品を目の前に運んでくれるなど優しく気遣ってくれる相手との買い物はそれだけで価値があり、それは見世物小屋という存在を忘れさせんばかりの輝きを放つ時間で、だからこそ彼女の問いへ逡巡する仕草を見せる自身の声はそれと自覚出来るほど幸福感に満ち溢れていて。実のところ店に入る前から一番欲しいものは決まっていて、これぞ一目惚れというものだろうと思いつつ陳列棚の一つに手を借りて腰を上げ、反物の近くに纏めて値引きされている縮緬のリボンを指差し。それには乳白色ともう一つ色素の落ちた水色のものがあり、価格も他に比べればそれほど高くもないだろう。 )
私、あれがいいわ。とっても可愛いし…それに、なんとなく、白ちゃんと私みたいじゃない?
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