2017-01-22 11:56:40 |
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ふふ、そうね。
私達が羨ましいのよ、きっと。
( やはりろくな防寒着も無しに外出するとなると冷えた外気が素肌に刺さるようで、けれどそれは相手も同じだろうと思えば今は二人きりのお出かけを堪能しようと。周囲の人々が遠巻きに自分達を窺い見るのも悪し様に罵るのも相手同様耳に蛸が出来るほど聞き飽きていて、動物のように歩くため他者より目線が低く顔色が見え難いのを良いことに、耳朶に触れた彼女の強気な声に同調して自らも唇に淡く嘲笑を浮かべ、彼らその他大勢が口にする「醜い」という言葉は彼ら自身の自己紹介に過ぎないと胸中鼻で笑い。さて、余計なモノを視界から外した時に見えたのは硝子の向こうに飾られた色鮮やかな反物で、梅の花をモチーフにしたシンプルながら粋なデザインに目を惹かれて思わず立ち止まって嘆息を零し )
……わあ、綺麗……
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