_ 2017-01-14 22:57:09 |
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>19 (/意見が合致して安心いたしました^^ それでは早速絡み文を投下させていただきます!物語を紡ぐなかでご不明の点や、意見などありましたらその都度なんなりとお申し付けください!)
>伊織
(ザアザアと木々が鳴く。何時もは優しい子守唄の様なその音が今日はやけに耳障りに聞こえた。響く銃声は母の悲鳴を生み出した。逃げなさい逃げなさいと必死に声を張り上げた母の姿と俺達を逃がす為に敵に立ち向かっていった父の背中を俺は生涯忘れることはないだろう。洞窟に開いた穴から差し込むのは月明かりのみ、真っ暗で寒いこの場所は見つけたばかりの穴ぼこで人間から隠れる為に見つけた特別な場所だ。何故本来手を取り合っていた人間から隠れなくてはならないのか、それは両親を、街を奪った生き物が他でもない人間だったからだ–––両親が死んだ。昨日迄目の前で笑いあっていた両親が死んだ。受け入れがたい事実。然しもう家はなく両親もいない。不幸中の幸いなるものがあるとするならば愛すべき家族、弟が生きていた事である。俺の様に身体中毛は生えていない、大きな牙もなければ耳も尻尾もない、赤子の時に母が拾い大事に育てられた人の子。全てを奪ったのは人間だが、長年連れ添った家族をあの人間と一緒にすることはできなかった。とても大切な弟、たったひとつ己に残った愛しきもの。洞窟の奥で蹲る弟に近寄る、己が人間だということを知っているのだとするならば彼の心境は良いものとは言えないだろう。「…大丈夫か、伊織」肩に優しく触れつつ、出来るだけ柔らかな声色で話し掛け)
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