霜月タルト 2017-01-03 19:12:07 |
通報 |
でも、授業が終わっても、すぐ訊ける感じにはならなかった。
青葉くんは持ち前の性格のよさで、既に何人か友達ができていて、話しかける隙がまるでなかったのだ。席から立ち上がって、青葉くんの方を見て、人だかりができてるのを見て、諦めて席に座る。そんな動作を授業が終わる度に繰り返していたら、あっという間に放課後になってしまった。
今日はもう、諦めるのしかないのだろうか。
はぁ、と深い溜息をついて、通学カバンをゆっくりとしめる。脱力しきったその行動に、茜が苦笑を見せつつ「なにかあった?」と気にかけてくれるが、それに返事を返すのも億劫になってしまった。
トピック検索 |