霜月タルト 2017-01-03 19:12:07 |
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一方の青葉は簡易な自己紹介を終えると、教師に促されるまま、指定された席に黙って着いた。今は冬休みが明けたばかりの1月半ばである。転校生にしても些か中途半端な時期にやってきた自分に、新しくクラスメイトとなった生徒たちの何人かが好奇を宿した視線を向けてくる。
(………………。)
しかし、その視線を感じながらも緊張や心細さを覚えることはなかった。それというのも青葉の心の中にはずっと、違和感とともにある疑問が浮かんでいて、他のことに気を回すほどの余裕はなかったからである。
(俺は…、どうしてこんなところにいるんだ…?)
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