霜月タルト 2017-01-03 19:12:07 |
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しかし、そこでまた空間に亀裂が入り、古代遺跡に飛ばされてしまうのだ。私はその度に、さっきまですぐ近くにいたはずの彼を探そうとするのだが、毎回このあたりで目が覚めてしまう。
「――…最初は病院だったっけ…。その次がアイドルの夢で…今日の舞台は…何故か茜の家だったな…」
私は寝返りをうって毛布に顔をうずめた。頬が少し上気しているのが自分でも分かる。青葉君に会えた幸福感と、離れ離れにされた孤独感が胸の中で交差する。
でも、次第にそういった気持ちにばかり浸っていられなくなった。
「ここまで連続して似たような夢を見るなんて…やっぱ、ちょっと変かな」
片頬は毛布にうずめたまま、壁にかけてある時計を見ながら、ひとりごちる。夢の中の青葉君が、いつもどこか寂しそうにしているのも、ファンとして気掛かりだった。
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