814 2016-12-28 21:34:57 |
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【グレイ】
……そんなに不機嫌そうに見えたか?俺。
(うまく隠せていたつもりだったのに。不意に再開されたステラの話に、う、と居心地悪そうに目線をそらし。何と無く改めて指摘されると非常に居た堪れない気持ちになる、不思議と。「いっつ」と、近づいてくる指には気づいていたが、恥ずかしさに硬直していたためまともにデコピンをくらい小さく悲鳴をあげる。恨みがましく、相手を睨みつけて「何すんだよー…」と低くぼやき。相手が訳を聞きたがっていると思ったわけでは、やはり居たたまれなさは抜けず、「別に、特別何だってわけじゃねぇよ。凄く腹が立つだけ」と、僅かに何処を見ているのかわからないような、どろりと煮詰めた何かを連想させる薄暗い瞳を揺らめかせ弁解するように上記を述べ。だがすぐにその薄暗さは振り払われ、親友が名前を間違い続けているのを楽しそうに見やって、ぱちりとその目を一つ瞬かせ「ステラ、な。」と、普段何気に名前は一切呼ばないが、きちんと覚えているらしきところを披露して
【反乱軍部下】
ああ、あの、はい、ありがとうございます…。
(頭をぐしゃぐしゃと乱暴に撫でられれば、本当にこの人は良い人だなぁ、役に立ちたいなぁという単純な気持ちが湧き上がってきて、堅物一辺倒な表情を緩ませ。「ステラさんも、無事で何よりです」と、相手が怪我をして帰ってくることなんて滅多にないとわかっていても、やはり心配をのぞかせて。
それから相手が政府軍本部がある方角に視線を向けたことがわかると、また複雑な思いが帰ってきて、思わず少し俯く。「……あの」相手の、先ほどの自分の言葉に対する返答であろうその呟きに、吐き出された煙が燻るのを視界に入れながら思わず「……どうして、」そこまで入れ込んでいるのですか、と言いかけて、首を振る。答えを聞くのが恐ろしかった…と言うのもあるが、このままでは本筋を外れてしまいそうだ。「いえ、今回の魔物は、そこまで強力ではないそうです」と、誤魔化すように、少々早口で報告をして。
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