赤い糸 2016-10-16 23:21:09 |
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>> 一松
…いや、このキャットもきっとお前の傍にいたいと思っている筈だ。俺はこのジェントルでハンサムなキャットと戯れることにしよう。( 猫をきっかけに少しでも交流を、と思ったのだが、どうやら彼にそのつもりはないらしい。擦り寄ってきた猫は彼が呼ぶ通り、彼の一つ下の弟に似ていて人懐っこい。その様子が件のエスパーニャンコ事件を彷彿とさせて、なんとも言えない切なさが胸を打つ。一人ではない、相手がそう告げた通り、相手の周りには他の二匹の猫だって近寄ってきている。腕の中のおそ松似の猫だって、彼の傍に行きたいと思っているはずだ。そう思い至り、上記口にすればなでり、一度だけおそ猫の頭を撫でやりその猫だけをそっと床へと下ろし。未だこちらに擦り寄って来てくれているイケ猫は、腕の中へしっかりと抱いて眉を下げて。この腕の中の猫だって、本当は彼の傍に行きたいのかもしれない。けれどそれは自分が寂しさで死にそうだから、少し我慢してくれイケメンキャット。…そういえば彼は猫たちを兄弟の名前で呼んでいたが、彼似の猫はいないのだろうか。イケ猫を撫でながらふと疑問に思ったことを、足元で寝転がる彼の顔を覗き込みながら問い掛けて )……そういえば、他のブラザーキャットはいるのに、一松の名を授かりしキャットはいないのか?
>> チョロ松
ぅ…、仕事のことはノープラン、だ…、( 漸く緩んだ頬に胸を撫で下ろした、途端に鋭い突っ込みを貰い思わず目を逸らし。わかっているのだ。本来なら己も彼同様、就活に力を入れなければならないということは。それでもその一歩を踏み出せないのは、今の居場所が心地よすぎるから。今のこの環境を崩したくないからで。そう考える間も相手の腕を引き、焼肉屋へと足を進め。例え彼が恋敵であったとしても、それ以前に自分が愛する兄弟だ。彼と食事の時間を共有できるとわかると嬉しさは滲み、自然と笑みが溢れる。しかし、相手から「いたい」という発言が聞かれれば勢いよく後ろを振り返り、肩に手を乗せたまま全身をキョロキョロと確認しだして )い、痛い?どうしたチョロ松っ!どこか怪我でもしたのか?だ、大丈夫か?今すぐ病院に行った方がいいんじゃないのか?
>> おそ松
…?何か用事があるのか?それともこのカラ松と箸を交えるのが楽しみすぎて待ちきれないのか?ビンゴォ~?( やけに急ぐな、と、いつもの調子で前を向く彼。触れあう肩がとてつもなく熱くて、ドッドッと心臓は煩い。彼が何を思って肩を組んで来たのかはわからない。けれど、聡い彼のことだ。こちらの気持ちに気付いてないはずはないのだが。それでもこうやって思わせ振りな態度をみせる彼は、きっとこちらが気持ちを露にしてしまえばきっぱりとNOと答えるのだろう。わかっていながら、こうやって何気なく触れてくる態度が己から諦めを取り去っていってしまう。故に、普段はこのような触れ合いは兄にのみ発動する塩対応で振り払ってきたのだが、パチンコのヴィーナスに微笑まれた今日くらいは素直に受け止めてもいいだろう。そう思い至り、肩に彼を従えたまま向かうは競馬場。…の横にある焼肉屋。 )
( /チョロ松のいう通りだおそ松。何も返事を煽るようなことは鼻からするつもりはない。お前はお前のペースで返していけばいい。元よりここはそういったコンセプトで建てたのだろう?だからそんなに謝るんじゃない。お前が謝るなんて珍しすぎて槍でも降りそうだしな、気にするな!! )
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