赤い糸 2016-10-16 23:21:09 |
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>> 一松
ぇえっ!?なんで強気ィ!!?居間でノックなんて聞いたことない!!……ってちょっ、待て一松!!一松キャットが……っ!!( あぁ、やはりこうなってしまうのか。バズーカの先を向けられ、思わずギャアギャアと叫び声を上げながら両手を挙げ降参のポーズ。あれ熱いし痛いし、俺のパーフェクトファッションが丸焦げになってしまうって嫌なんだよなぁ。なんて張本人である彼には言えるはずもない。手を挙げたままカチコチと固まっていれば視界の端で自分の足に怯えたように擦り寄って来る一匹の猫を捉え、怯えの中に焦りが生まれる。この騒ぎのお蔭で他の猫は部屋の隅に逃げてしまっている、あそこは一松の背後であるし、万が一バズーカを放たれても被害はないだろう。けれど。尻尾を後ろ足の間に入れ、己の足の間ですっかり動かなくなってしまった細身のハンサム猫は危険どころの話ではない。先程まで実の弟と仲良く出来ない憂いに涙を浮かべていたが、そんなことは頭からすり抜け咄嗟に弟へ背を向ければ、守るようにその猫を腕の中へと抱き竦め )
あぁ、よろしく頼む。俺は無駄に長くなってしまう節があるから、少し気を付けようと思ったんだが言ってる傍から長くなってしまった、すまない。ここは蹴ってくれて構わないぞ!
>> チョロ松
…ン?ぉおチョロ松か。ハロワ帰りか?( 目的地である焼肉屋はこの先の大通りを右に曲がった所。軽い足取りでそちらへと足を進めていれば、脇の道から聞き慣れた声。ふとそちらへと目線を移せば今朝早くにハロワへと出掛けていったすぐ下の弟がこちらへと近付いて来ていて。突然だが、元来自分は兄弟みんな大好きだ。特に弟は底無しに可愛いし、出来るだけ甘やかしてやりたいと思っている。…例えそれが。例えその弟が片想いの相手の想い人でも、だ。そのことは決して嘘ではない、けれどやはり、少し期待してここまで歩いてきた身としては多少がっかりせざるを得ない。そのくらいは許してくれチョロ松。弟へ当たり障りない返事を返しつつ、こちらも彼へと近付けば困ったような、照れたような顔で笑い掛け )実はパチで大勝ちしてしまってな。折角だから、最近できた焼肉屋で飯でも食おうと思ったんだが。…ここで会ったのも縁だ、お前が良ければ一緒に食べに行かないか?変わりにこのことは他のブラザーには内緒にしてほしいんだが、どうだろうか。
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