岬 2016-10-10 17:43:47 |
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──ッ、
( 弟子が立ち去ったばかりの部屋、敷っぱなしに放置された布団の中へいそいそと潜り込めば微かに香る彼女の残り香を満足行くまで堪能し。弟子入りを申し込まれた時から先程まで、自分が心身共に未熟である十代の相手に対する淡い恋心は消えることが無かった。三十路を過ぎ、妻も子もいる身ではあるが一目惚れというものは時に人をそればかり夢中にさせる力があるもので。枕には石鹸、衾には椿の香水の香りが染み付いている。どれも相手が愛用していたもの。今更田舎へ返してしまったことを後悔しながらそれらを引き寄せ顔を埋める。そのままゆっくりと瞼を閉じれば深く静かに眠りにつき )
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