月 2016-09-03 18:33:52 |
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「違う、いや、違ってはないけど、でも話したくないとかじゃないから」
凪は基本桜夜に甘い。
自覚はあるし、甘やかしすぎは桜夜のためにもならないと分かってはいるのだ。
ただ、凪は桜夜の悲しげな表情に弱い。
今にも泣き出してしまいそうなこの表情を見ると、何とかしなくてはならない気がしてしまうのだ。
「そっか、良かった、凪に嫌われたら俺生きていけないよ」
この笑顔に安心はさせられるが、今の凪に桜夜の言葉は冗談に聞こえない。
「おおげさだろ」
いつものような返事に、いつものような桜夜の髪を撫でる仕草。
昨日までは違和感のなかった行為は、凪の心に緊張を走らす。
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