月 2016-09-03 18:33:52 |
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数日後の深夜、満月の夜の事。
黒猫の妖人は、森で捜し物をしていた。
「本当に看板なんてあるのかな?あの願いが叶うって言う話、嘘だったんじゃないかな」
足に疲れを感じて嫌気がさしてきた黒猫の妖人が歩みを進めると、前方に木製の看板が見えた。
「あった!えっと『願いが叶う屋敷、この先まっすぐ北へ。徒歩にて、五分程』か、……怪しい看板だけど、行くしかないよな」
目的の看板を見つけ内容を確認すると、黒猫の妖人は森を早足で進んでいく。
そうして五分後に辿り着いたのは、古風な一軒の屋敷だった。
その屋敷は森にあるわりには外装が綺麗で、黒猫の妖人は訝しさを感じてしまう。
屋敷の主は一人暮らしと聞いていた。
それなのに、庭の手入れや外装の掃除が行き届きすぎている。
いったい此処の主とは、どのような人物なのだろう。
不安を抱き黒猫の妖人は屋敷の扉に手をかけた。
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