博多っ子 2016-08-11 18:08:59 |
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( バックヤードへの階段を一歩一歩降りる度に彼の表情や言葉、先程の他愛もないやりとりが繊細に浮かんできて。彼のことばかり考えている___今頃、己の為に暖かいココアを淹れてくれているのだろうか。そんな彼の姿が容易に目に浮かんできて。何気無い優しさや気遣いは彼に取って己が特別な存在だから、では無く只のアルバイト_それ以上でもそれ以下でもない。それなのに、温厚な性格な彼は誰に対してでも優しいのが狡い。己に取ったら残酷とも言える優しさで、いちいち期待してしまいそうになる自分が嫌で、何時も振り回されてばかり。期待外れだって事は頭の中で分かっているつもりでも身体が言う事を聞いてくれなくて。今だって、視界が彼を捉えた瞬間、頰が緩みっぱなしで、引き締まってくれなくて。表情に全て出ている気がする。定位置に荷物を置けばぺしと自分の頰を叩き。よし__なんて、何の気合いをいれたかさえ自分でもよく分かっていないけれども。小走りでカウンターへと向かい。コーヒーを飲んでいる彼の姿を見れば。無意識に見惚れるようにその場に立ち尽くして )
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