『 ターゲットを捕獲しにきたのかしら―――……殺し屋さん? 』
「 察しの良いお嬢様なので、こちらとしてはとても助かりますね。」
『 それはどうも。だけど、貴方に私を捕まえる事など無理に等しいわ。』
「 ――随分と威勢の良いお嬢様だな。これから捕まえられるというのに、些か騒ぎすぎだ。」
イタリアの「世界一美しい海岸」とも呼ばれる海洋都市アマルフィ。
その都市にはとあるマフィアと、マフィアを狙う殺し屋がいた。
夜な夜な闇夜に響く銃声――皮膚を抉るナイフの感触。辺り一面に広がる深紅の海。
―――私はそれを、知っている。