神技(シンギ) 2015-12-06 05:44:43 ID:e387a492e |
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コラボ小説風のナニか第3段ですっ。何時も通りgdgd駄文&キャラ崩壊注意です…
『久し振りに飲みませんか?』
横山秀人から誘われ。滅多に行かないバーに顔を出すことにした
「シゲさん。久し振りです」
先に来てワインを飲んでいた秀人に「おう」と簡単な挨拶を済ませて隣に座る
「お前、この所調子が悪いみたいじゃないか」
複数の賭場に顔が効く年下の友人は、最近負けてばかりだと風の噂で聞いていた……元々大勝してるような奴でもないが
「ええ…ついこの前までドン底でしたね。今は…月並みってトコです。ははっ」
何か面白い事でも言ったとばかりに笑う秀人を横目に水割りを舐める
「で、何を企んでるんだ?」
付き合いは短いが、この男は用事も無く人を呼びつける奴ではない。こいつから飲みに誘われた時は大抵代打ちなり、仕事の手伝いを頼まれるのだ
「いやあ、少しお話を伺いたいな…と思いましてね」
「話? 何の話を聞きたいんだ?」
「シゲさんと異の話…まだ、聞いてませんでしたね」
俺は渋い顔をしていただろう。何せ仇敵の話をしろと言うのだから当然だ
「今日は何軒梯しても俺が持ちますから。頼みますよ」
俺が異に負け続けているのは周知の事実の筈。なのに態々呼び出してまで聞き出すには何か理由があるのだろう
「わかった、そこまで言うなら話してやるよ」
俺が異と始めて戦ったのは3年程前になる。当時、俺は街の腕自慢共を薙ぎ倒し時には関西、東北方面まで遠征しては暴れまわっていた
そんな折、勝負の話が舞い込んだ。俺の噂を聞き付けたどこぞの物好きが自分の飼っている真剣師と戦わせたいと言う
持ち時間は2時間、600万を賭けての勝負
600万というのは当時の俺の全財産に等しい金額。相手方が俺の懐事情を知っているのは明白だった
負ければ地獄、勝てば天国……俺は勝負を受ける事にした
麻雀等とは違い将棋や囲碁は100%実力で勝負が決まる。連戦連勝が当たり前で天狗になっていた俺は自分が負ける事など微塵も考えては居なかった
会場として用意された料亭へ出向くと若い女と和服の爺さんが待っていた。俺はてっきり爺さんが相手かと思っていたのだが
「重田殿じゃな。ワシは柳瀬。この勝負のスボンサーじゃ。この女がお前さんの相手じゃよ」
「異です。宜しくお願いします」
「あ、ああ。重田だ…」
無表情で頭を下げる女を見て、俺は内心ほくそ笑んでいた。プロの世界でもそうだが将棋に関しては男の方が強いというのが定説なのだし、まだ、10代……多目に見積もってもギリギリ20代を越えているかのような娘が相手だと言うのだから仕方ないと今でも思う
先手は異で対局が始まった
内心で相手を侮っていたとはいえ、全財産を賭けての勝負なのだから俺も本気だったのは言うまでもない
実際指してみると直ぐに異の評価を覆すことになった。この女は手強い、女流プロの中にもコイツに勝てる奴はそうはいないだろう……と
2時間の持ち時間を使いきり勝負は終盤。優勢なのは俺だった
異の顔色を伺ってみたが相も変わらず無表情。容姿も相俟って人形みたいな奴だと思ったよ
だが、既に投了していてもおかしくは無い形。異の受けは凄まじかったが明らかに悪あがきだ
詰みまで何手も無いだろうと思い、俺は緊張を弛めたその時。異が薄く笑い
9八角……と指した
それから7手できっちり詰まれた俺は負けたのが信じられず……というより何で負けたのか、何が悪かったのかも分からずに呆然と盤面を見つめていた
「私の勝ちです。ありがとうございました」
「カカカ! うむ、良い勝負だったぞ!」
柳瀬の笑い声が室内に響きわる中、俺の意識は遠退いた
苦い記憶を水割りで流し話を終える
「最初から最後まで異の掌の上だったんですかね」
ワインを飲み首を捻る秀人。最初から最後までというのは…あり得ないだろうが
「終盤に差し掛かってからは予定通りだったろうな」
恐らく。終盤、異は俺より早く詰みを読んでいたに違いない。俺の実力負けだ
「でも、文無しになってどうしたんです?」
「暫くは静江に世話になってたよ。恥ずかしい話だがな」
今でもアイツには頭が上がらない。お陰で身を持ち直す事が出来たのだから
「で、それから事ある毎に異に突っ掛かっては負けている…と言うことですね」
「……そういうこった」
ずけずけと物を言う奴に向かって口をへの字に曲げる。事実だが他人から言われると腹が立つ物だ
「話すことは話したぞ。約束通り今日は奢ってくれよ」
「勿論、朝まで付き合いますよ」
数日後、ホテルの喫茶店で俺……横山秀人は待ち合わせをしていた。先日、知り合った男がこのホテルに滞在している
「あれ、待たせたかい?」
現れたのはシゲさんよりは4、5歳上の男だ。
「いえ、俺も今来たとこなんで。お久し振りです、トーヤさん」
晴原トーヤ。運を巡るゴタゴタに巻き込まれた際に解決に尽力してくれた男だ。報酬として人の話を聞く妙な趣味を持つ
多分に漏れず俺からも話を聞き出したのだが、どうやらこの男は他者とは異なる何かを持つ人間の話などに興味を持っているらしく、異の話に関心を示していた
だが、俺はあの女と直接対峙した事は無く。大勝負の場に居合わせた事も数少ない
あくまで異を紹介する立場に過ぎない俺は裏社会の勝負事に深入りするのは避けている
「と、いうわけで。これが報酬という事で」
ボイスレコーダーを差し出す。中味はシゲさんが語った異との戦いの歴史……彼には悪いがこっそりと録音させて貰っていた
あの夜の報酬は既に話した。これは別口の依頼の報酬だ
「出来れば、本人から直接聞きたいんだけどね」
「初対面の人間にベラベラと敗けの記憶を語るような人でも無いすよ。見栄っ張りですから」
他人に弱味を見せない。それも勝負師には必要な事だ。トーヤが幾ら話術が得意でも、あの頑固オヤジは口を割らないだろう。多分途中で席を立ち逃げる筈だ
「それに。俺はもう話すような事は殆ど無いですから」
暫く考える素振りを見せ、トーヤはボイスレコーダーを受け取った
「是非、本人からも聞きたいね。質問したい事もあるし」
そう言うだろうと思っていた
「探して欲しい人がいるんです。見つけて貰えたなら…シゲさんや異に倒された奴らから直接話を聞く場を設けますよ」
トーヤは興味を牽かれたようだ
「詳しく話を聞かせて貰えるかい?」
「人鬼……暴虎……裏麻雀の世界にそう呼ばれている男が居ます。彼を探して欲しい……もしかしたら、異よりも面白い話が聞けるかも知れませんよ」
流れとしてはトーヤさんと秀人が出逢った事件の後……という設定ですね
最後に秀人が探して欲しいと依頼しているのは異の元ネタになったキャラクター……というかほぼ丸パクリ(汗)です
というわけで今回も続くようで続きません
トーヤおじさんがキャラ崩壊していたらすいませんです…
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