かっぱ 2015-10-08 14:54:24 |
通報 |
たまには静かな夜では無くて煩い朝を感じるのもいいでしょう?---ほら、窓枠が額縁となって青々と輝いている草木を一つの絵画にしている。
(ひんやりと冷たい空気は鼻を抜けて行く度に心地が良く、部屋に差し込む青白い朝日は眩しい程に煌びやかで夕日とはまた別の魅力を引き立たせており自然と気持ちも軽やかになり起き上がるまでの一連を見つめた瞳には、新しい朝の訪れを祝福する瞬きが映し出され。大袈裟に吸い込んだ空気に入り混じり鼻を突いたのは酸味がかったアルコール独特の香りで見やれば枕元に転がる空の瓶、それなりに数値の高い酒をベッドで飲んでしまう程改竄したい記憶があるのだろうと思い至るも必要以上に触れる事無く二日酔い気味の相手の顔色のみを伺い「お水、持ってきましょうか?」一応医学を学んでいる身、薬など使わずとも可能な限りの自然治癒を推し、返答を待つ間に指示されたショーケースへ歩み寄り中身を確認し。まさかこんなにも丁寧に保管されているとは思わず、ストレートに伝わってくる気遣いに思わず頬が綻び慎重にショーケースから取り出すと指先で撫でつつ感謝を言葉にして表し。酒灼けも勿論関係するだろうが低く響いた笑い声は自ずと耳を傾けたくなるものがあり瞳を細めてひっそり余韻に浸っているとゆらりと立ち上がる影を感じてやや遅れ気味に見上げ。気付かぬ内に朝早く訪問した理由は単に朝陽を浴びさせる目的のみならず計画も何も無くして突発的に浮かんだ自らの要望を叶えるもので「そうですね、ならそのお土産を共に探しに行こうではありませんか!部屋に閉じ籠ってばかりは退屈でしょう?気分転換にどうです、先生。」有無を言わせない速さで両手を取ると掌を重ねる様にして包み込み、期待を存分に含んだ瞳で視線を合わせ更に付け加え「今、両親は長期休暇で留守なんです。俺の事は気にせずに思いっきり羽を伸ばしに行きましょう、はい、用意をしましょう!」たんたんとしたリズミカルな勢いでステップを踏むかのように包んだ両手を引いてベッドからさり気無く遠ざけると、改まるように包む腕に力を込め)
トピック検索 |