かっぱ 2015-10-08 14:54:24 |
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---あ、おは……。…!
(長い睫毛が交差し瞳の下にくっきりと付いてしまったクマを程良く隠しているお陰で目が覚めている時とはまた別の無垢な一面が伺え、このまま目覚めないのかと思った矢先突如開いた二つの瞳。脊髄反射で僅かに肩を跳ねさせ数秒遅れてから言葉を紡ごうとするが先手を打ったのは相手であり己の目を釘付けで見つめる瞳に喉元までせり上がった言葉がその場で止まり。相手はこんなにも恍惚な笑みを見せる男だっただろうか、寝起きの気怠げな瞳や掠れた声は以前目にした自分自身を卑下する相手とは全くの別人。乱れた髪からは艶気すら感じられ、思わず見つめ返してしまう程。大体は同じような反応で返す故に今回のような予想を覆す一連にはフリーズしたように次の言葉が出ずに、伸びてきた腕を目で追いかけ。そして触れる熱い掌、冷えていた自覚は無いが温度差を改めて感じる事で熱を貰った頬は疼くようで漸く整理が少しずつ出来始め。自分の感情を表に出すのは不器用なのだろう、得た情報によって相手が我に返った頃には既に事を理解しており、今更になって弁解目的の嫌味を述べようと皮肉る何処ろか愉快そうにくふくふと笑い出し。「お早う御座います。まさかそんなに待って頂いているとは思いませんでしたよ。てっきりもう忘れられているかと思った。」あまり笑っているのも居た堪れなくなるだろうかと口元に手を置いて今度は薄っすらを微笑みつつ上着を脱ぎ側の棚へと掛けて。室内は外よりは冷たくは無いものの寝起きの温まった身体には悪いだろうと「確かキッチンは向こうでしたよね?紅茶淹れてきますよ、身体が冷える前に。」という体で、ほぼ勝手に部屋を出て行き以前探索した際発見した生活感を全く感じられないキッチンへと向かい。)
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