かっぱ 2015-10-08 14:54:24 |
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(血色が良いとは世辞にも言えない顔色に加え、頬がこけるような痩せ細る肉の薄いからだが横たわる姿は死人を連想させるほど縁起が悪く。寝つきが浅い事も有り、神経質な性分では人の気配に敏感で相手が顔を覗き込んだその瞬間にバチと反射的な動きで瞼を開き黒目に彼の姿を反射させるように一点を見つめ。起きたその先に人がいると言う事自体が信じられなければ加えて端麗すぎる、綺麗な思い出の坊ちゃんが此処に来ているなんて夢の一つでしかないと寝ぼけ頭で考えを決めつける事数秒、クと喉を鳴らすようにくぐもった小さい笑い声を上げて「やっと来たのかぁ?、――その面を忘れちまいそうになる位、待ちくたびれた」これは夢だと微睡の中で決めつけてしまえば簡単で掠る声で紡ぐのは相手の事を待っていたと言う本音を一つ、布団の中に入っていた腕をモゾモゾと動かしてから取り出して「夢ン中でも冷てぇのな」筋張る手が相手の頬をなぞる様に触れるとその顔が外から来たことを告げるようにヒンヤリと冷たかった為直ぐに逃げるようにその手は離されて、然し微睡も段々とこれが現実だと理解を深めてその動きを止める事になると今度は我に戻った様子でハと今一度瞳を大きく開き今度は体をノソと起き上がらせて「――本当に来たのか、奇特な坊ちゃんだなァ」頭がしっかりと目が覚めた所で早速口を付くのは嫌味の一つであり、その直前に相手の事を待っていたと言った身であればその言葉はなんら意味を持たないのかもしれないが、目の前に居る相手の姿をチラリちらり、と垣間見つつガシガシと力任せに頭部を掻いて)
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