かっぱ 2015-10-08 14:54:24 |
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此処が例の屋敷。本当に幽霊でも居たらひっ捕まえて成敗してくれる!---------…よし、入ろう。
(引越しと兼ねて別の県毎に中高が存在する異色な学校法人をエスカレーター式で上がり今回は最後の學問として、都会の大学へ手続きを済ませに訪れ。二年間、海外での留学期間もあり今回は三年次に転入する形で終えた帰宅道中、普段ならば黒い洒落たリムジンに乗車するが初日ぐらい良いだろうと欲を働かせて運転手の隙を見て逃走。校内では良家のご子息のが転入してくると以前から噂になっていたようで此方でも人混みの中を抜け出すのは一苦労し。そして現在、鬱蒼と蔦が煉瓦を履い、本来有るベき壁面が隠されたおどろおどろしい屋敷を目の前にしているには二つの経緯があり、一つは既に此方に移住していた姉の忠告。二つ目は秒速で出来しまった友人からの忠告。好奇心とは計り知れないもので時には誰もが懸念するものまで鬱憤晴らしの良い機会と捉える。さぁ、進もう、何処からか湧き上がる意気込みは今だけのものか、鉄格子へと手を掛け人の息を感じられない建物の敷地内へと足を踏み入れ。想定通り鉄格子は錆び付いておりざらりとした感触が特徴的で数十センチの隙間を開けるにもそれなりの力は必要。秋のオレンジがかった落ち葉を硬い靴底で踏み締めながら手にはシルクで出来たハンカチで黄色く黄ばんでしまった掌を拭い。漸くの事で玄関先に辿り着けば近くの枯れ木から烏の鳴き声が響き、振り返り様に足元に転がっていた銀杏を踏み付けてしまうとその異臭に気付き。此れは室内でも警戒が必要だとやや見開いた瞳で悟りいざ、室内へ。此の様な屋敷に人が住まうのか、己が不法侵入をしている事さえどうでも良くなってしまう程整備のされていない室内を目の当たりにし、霞んだ視界に加えて埃臭さに噎せ返り。このままではただ無人の屋敷に訪れただけになってしまう、期待からどん底に落とされてしまうのを恐れ始めながら未だに残る好奇心から奥へ奥へと進んでいき。やがて一番奥にある濃いキャラメル色の扉を見つけると剥げた金色の取っ手をハンカチ越しに掴み、惜しみ無く解放し。)
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