かっぱ 2015-10-08 14:54:24 |
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(彼を頼るとしたのは決して彼だけの為では無い、少しでも縋ろうとする子供じみた甘えが発揮されている理由も勿論、順当な行いだけで全てが収まるなど有り得無い。己の身を案じ、己の為を考察する姿からその頭蓋骨に守られた柔らかな脳味噌には"浪花津千"がしっかりと刻まれて今はいっぱいに占めているのであろう。そしてそれは、とても耐え難い程に愛おしいのだ。口にせずとも理解ができる、理解しているつもりだが果たしてそれが正しいかどうかは千人に聞いても分からない。無論本人の口からであろうと心情を限り無く正確に近い言葉にするのは苦悩の技だ。だからこそ確信は見てなくとも恐らくを信じて今は目に見えた糸から手繰り寄せてどろどろに溶けた欲望を少しずつ露わにさせて行く。これこそ唯一の甘えなのだ。気が付けば其処は書斎で眼前にはタオルと着替えを持つ彼の姿があり、ぼんやりと考えている間にたかがこれしきの事にこんなにも動いてくれたのかと少々苦い笑みが零れ。小さく礼を告げてタオルを一枚と着替えを受け取り、まずはタオルを両手で広げて一番汚してしまった顔を覆ってゆっくりと首まで拭い。幸い髪に付着せずに済んだがシャツにはべっとりと夕飯であったものが汚れとなってシミを作っておりそこから漂う匂いに改めて随分味噌汁臭くなってしまったと気にとめて。「_____先生こそ、そのタオルで拭って下さい。折角の着物にこんな匂いが染み付いてしまったら大変です。」同じの違う面で首の後ろを拭い。一旦タオルを近くの机に掛けて、羽織っていたベストを脱ぎ丁寧に折り畳み同じく机と掛けてふと彼に再び視線を向け。普段から己の知り得ない未知の知識を多く持つ故に彼を尊敬し敬意を込めて"先生"と命名しているが十近く年が離れているとまでは常に意識しているわけでは無かった。決められた歩数で年月を越している筈だが彼は不思議とずっと歳が離れている感覚があまり無く存在までも近しいく感じてしまう。恋心故なのだろうか、それとも隔てる年齢の差をも超えた対象と認識してしまっているのであろうか、どちらにせよ特別以外の何物でもない。不意に二枚目のタオルを受け取るが正確には掴んだだけで、彼の目の前で手の腹を見せるように腕を捻り「先生。」それは寧ろタオルを彼に差し出した形となり、一言で連ねた呼び名には再びの頼みと称した甘えを含ませて。もう片手でワイシャツのボタンを三つ程外し今一度名を呼び)
(/遅くなりました、漸く落ち着いたのでお返事を返す事が出来ました。長らくお待たせ致しました!大変申し訳御座いません!どうぞ今後も宜しくお願い致します!)
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