YUKI 2015-09-20 23:21:52 |
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「もう、無理よ。貴方も気付いているでしょう?だから、どうせ助からないなら、貴方に伝えたい事があるの」
私は弱々しい声で夜冬を優しく見つめ言う。
「私貴方のことを好きになっていたみたい。自覚したのは今日貴方が此処に来る前の事だったけど」
クスリと微笑みながら夜冬の頬に触れ私は言った。
夜冬は此処を出れなかった事を無念そうな顔をしながら私の顔を見つめる。
「すまない。貴方をこの店から生きて出してあげたかっただけなのに、俺が考えなしの行動をとったせいで」
今にも意識が途絶えそうな私を見つめ、夜冬は私の頬に付いた煤を拭い、謝った。
店の小さな柱が焼けて倒れ、大きな音をたてた。
「夜冬、謝らないで。私、嬉しかったのよ?私を本当に好きになってくれて、この店から助け出そうとしてくれて。だから、謝らないで」
もう目を開けるのすらも辛い私は、必死に声を絞り出す。
夜冬は私を抱きしめ頷き「俺も、嬉しかった。半年前に偶然貴方を見つけ一目募れをした。その時から貴方を愛していた。貴方が外を恋しそうに見ているのに気付いてからは、何とか外に出してやりたいと思った。」と私への募る思い口にしてくれた。
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