YUKI 2015-09-20 23:21:52 |
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「悪い、貴方が俺を好きかも分からないのに勝手なことをして」
夜冬は唇を離し、目をそらしながら私に謝る。
「そんな、謝らなくてもいいわ。私も嫌ではなかったし」
私の方も目を合わせられずにいながらも、夜冬に嫌ではなかったことを告げた。
「そうか、ならよかったが」
目をそらしながらも照れているのかうっすら頬を染める夜冬を月が照らしている。
そして私はそんな照れている夜冬が可愛らしく思い、自分から夜冬に抱きついた。
しばらくの沈黙の後、一階が騒がしくなるのを感じ私は夜冬を見る。
夜冬も騒音に気づいたのかすっと目を開けた。
「そろそろか」
吐息のように声を漏らし夜冬は窓の外を見つめる。
外では皆が騒ぎ急いで押し合いながら店の外へと駆けだしていた。
「そのようね」
私も体を起こし、窓の外を見て頃合だろうかと確認する。
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