YUKI 2015-08-22 21:53:42 |
通報 |
「黒葉っっ」と私は声を張り上げ彼の名を呼んだ。温室の作りは本宅と同じ物だった。
その奥のベッドに背を向けて座る真っ黒なドレスを着た、肩までの髪の長さの少女がいた。
彼女は私の声を聞いてピクリと反応しこちらに気づき、振り向いた。
「シ・・ロバ・ラ?」と振り向いた彼女は、確かに黒葉だった。
「黒葉、黒葉。ごめん、ごめんね、私のせいで。怪我してない?病気とかは大丈夫?」と私は黒葉に抱きつき泣きながら謝った。
「白薔薇なのか?だって君は自由になれたんじゃ、まさか、彼奴僕たちをだましたのか?」と驚いた顔をしながら白薔薇に聞いてきた。
「事情はいいから早く逃げるよ。私達の身分証と、パスポートとかいう物はすでに使用人から受け取ったから」と私は黒葉の手を取り走った。
「でも、いったいどうやって此処の場所を知ったの?此処は彼奴とごく一部の使用人しか知らないはずなのに」と黒葉は不思議そうに聞いてきた。
「依然貴方達に貰ったナイフであの男を脅してやったのよ。あっさりと吐いたわ」と私は答え二人で別宅を出た。
トピック検索 |