YUKI 2015-08-22 21:53:42 |
通報 |
黒葉、黒葉、私のせいで黒葉までもあの男に温室に閉じこめられるなんて。
私は公共の車に乗り、別邸を目指した。お屋敷の警備員達は、私が屋敷を出ることを止めはしなかった。
それどころか「今まですいませんでした。ご主人様に逆らうと酷い目にあうという話を聞いて、命令に背くことができませんでした。どうか早く行って下さい。後のことは任せて、黒葉さんを助けてあげて下さい」と涙ながらの謝罪と、公共の車の手配、そしてあるにこしたことはないとわずかな現金を握らせてくれた。
彼らもご主人様におびえていただけなのだろう。それゆえ見て見ぬふりをするしかなかったのだろう。
必ず助ける。私は祈るように手を握りしめ黒葉の無事を祈った。
別宅につくと支払いを終え、門を開け、温室を探した。別宅の使用人達は、本宅の警備達から連絡を受けていたらしく、素直に温室へ案内してくれた。
案内されてるあいだ使用人達は、「早く助けてあげて下さい【彼女】を早く」と言っていた。
私は【彼女】と言う言葉に疑問を持つも、温室に着き、ドアを開けた。
トピック検索 |