YUKI 2015-08-22 21:53:42 |
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あれからどれほどの日々過ぎただろう。
私はまた温室に閉じこめられ、ただ、ただ、日々が過ぎていくのを待っている。
ご主人様は毎日私に会いに来ては囁く「今日も綺麗だよ僕の白薔薇」と嬉しそうに語る。
もうどうなってもいいの。黒葉が元気に生きているのなら。
彼が幸せになってくれているのならそれだけで、私にとってこの温室から二度と出られなくても幸せだわ。
そんな風に思っていたある日「あぁ、白薔薇。君はこんなにも美しいけれど最近の君は歌声に張りがないな」と退屈そうにご主人様は言う。
それに対して私は「申し訳ありません」と表情薄く答えた。
その様子がつまらなかったのか「ねぇ、白薔薇。君がこのまえ屋敷から逃げようとしたときの協力した者達のこと覚えている?」と突然そんなことを言い出した。
私はピクリと反応するも何事もないよう振る舞い「えぇ、覚えていますが、それが何か?」と軽く流す。
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