YUKI 2015-08-22 21:53:42 |
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そんな私の心を察したかのように「白薔薇君はいけない子だね。でもそんなにも外に出る事を望むならチャンスをあげよう。」とご主人様は私に向け告げた。
私は「ご主人様、私は」と言おうとした瞬間「黙れ、君の意見はまだ聞いていない」とピシャリと遮られ、うずくめられた黒葉をご主人様は蹴り上げ「・・っぐぅ・・・」と呻く黒葉を観ながら続けた。
「もし、白薔薇が大人しくあの温室に戻り、今度は24時間見回りをつけその中から二度と逃げ出さないと言うのなら彼らのことは見逃してやろう。まぁ、屋敷には居させないが、就職先も見つけてやる、しかし君が自由になることを選ぶなら彼らに君の分の罰も受けてもらうしかないかな?」と淡々と言いながら黒葉の顔を私の方へ向けた。
散々怪我を負っていながら「駄目だ、僕たちのことはいいから君は逃げるんだ。やっと自由になれる、人として生きられるんだっっ」と私に必死に告げてくれた。
しかし私がほしかったのは沢山の人を犠牲にして得る自由だったのだろうか?確かに自由はほしい。
でもそれは、黒葉という私をちゃんと一人の人として見てくれた大切な人を犠牲にしてほしいものではないのではない気がする。
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