YUKI 2015-08-22 21:53:42 |
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「でも、協力者なんてなかなか見つかるものではないでしょう?」と私は少し困ったように悩んでしまう。
ご主人様がお怒りになると恐ろしいことは屋敷の者なら誰もが知っている。
そんな中、屋敷の外へ出る協力を頼める人間がいるとはあまり思えなかった。
しかし黒葉から意外な言葉が返ってきた。「僕の知っているメイドと使用人で、今の状況に不満を感じている者が数人いる。もしかしたら協力してくれるかも」と僅かながらの可能性を黒葉が告げてくれた。それに対して私は「それって本当?もし協力してもらえたら私本当に外に出られるかもしれないわ」と目を輝かせ嬉しそうに言った。
しかし黒葉は「まだ確実に協力してもらえるとは限らないけどね。それにいつやるかも決まっていないし、当面の生活費だって」と油断は禁物だと言うことを告げた。
「そうね。でも、もし可能性があるとしたら庭に出れるときだと思うわ。当面の生活費はご主人様から頂いたこれらを売ればどうにかなると思うし」と私はベッドの横においてある小さな箱を開け中に入ってあるきらびやかな沢山の宝石を見せた。
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