YUKI 2015-08-22 21:53:42 |
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そんなふうにベッドの上で考えていると温室の外の草むらが揺れた。
「やぁ、お人形さん、お願い事は聞いてもらえたかい?」と草むらから黒葉が出てきてからかうように聞いてくる。
それに対して私は何も言葉を返せないでいた。なぜなら黒葉の言ったとおりご主人様に反対されてしまったからだ。
その様子をみて「やっぱりな、だから言っただろう」とからかうのをやめ、黒葉は私を慰めるように優しく言った。
「ねぇ、ご主人様はなぜ私をお屋敷の外に出してくれないのかしら?お屋敷の外はそんなに危険なの?」とようやくの思いで黒葉に絞り出したような言葉を告げた。
「屋敷の外は別にそんなに危険なことはないよ?むしろ僕には君の今のご主人様との関係の方が危険だと思うけど」と首を傾げ不思議そうに答えた。
「そうなのかしら、だとしたらなおのことお屋敷の外に出てみたいわ」私はより強く外に出る意志を固め、黒葉に「ねぇ、私あなたにお願いがあるの。私がお屋敷の外へ出るためのお手伝いをしてくれない?」と両手をあわせお願いしてみた。
黒葉はそんな私を見つめ少し考えたような顔をすると「協力するのは良いけど、協力者はもう少しいないと厳しいと思うよ?」と答えてくれた。
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