魔王 2015-07-30 21:54:13 |
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第1章第1話【勇者やめたい。誰も応援してくれないんだもん】
友斜「じゃあ行くけど。本当に良いんだな?」
友斜は念を押すように、村人どもに確かめる。こいつらの「勇者はこいつでいいや。適当適当」みたいな押し付けが心底気にくわない。
村長「ああ、お主ならきっとやり遂げてくれるだろう。ここから見守っているぞ、お前の勇姿を」
友斜「村長……」
村長「そして忘れぬ。お前と過ごした18年間」
友斜「俺死ぬ前提じゃねーか」
村人A「じゃあな!友斜!お前から貰った揚げパン、ずっと忘れねぇ!」
友斜「それ小学校の給食の時に俺から強奪した揚げパンのことだよね?俺も忘れねーよ、末代まで呪ってやる」
村人B「今思うと友斜君、とってもフツメンだったわ!」
友斜「それどんなカミングアウト?これから死地に向かう人間に言うこと?」
村人C「友斜!俺たちのことは心配すんな!きっとお前の死を乗り越えて、誰一人不幸になることなく幸せに生きるから……っ!」
友斜「ああそうだな。不幸になるの俺だけだもんな。お前ら見てるだけだもんな。つーか、現在進行形で不幸だけどなッ!」
村長「さあ!行くのじゃ友斜よ!」
友斜「行くのじゃ!じゃねーよ、バーカ!もうぜってぇ戻らねぇからな!」
友斜は捨て台詞とともに、長年過ごしたこの村を出て、今、広大な大地へ足を踏み出した。
友斜「あの……止めるなら今だよ?あ、止めない?そう。────逝ってきます」
足を踏み出した(二度目)。
(/絡んでくださる方は、友斜が村を出たところからご自由に参加してくださいませ!
ではレス禁解除)
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