▲▽ 2015-07-15 01:48:59 |
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>落陽
-----うん。
(その声は優しげなのに、それと同時にどこか狂気じみたものを感じるのは何故だろうか。真綿で首を締められるような、決定的な苦しさこそないが徐々に追い詰められていくようなそんな息苦しさが自分の中にあり。本能では止めた方がいいと、危険だと分かりきっているのにそんな感覚にでさえ自分の嗜好は反応し僅かながらではあるが興奮し始めていて。狂っているのは自分も同じ。相手を狂っているなんて自分には言う資格はないだろうと、手を引くその背中を見つめながらぼんやりとした思考のまま考えていて。
やがてたどり着いたのは見渡す限りの広い海は自分が見たこともない世界。【勿忘草】に来てからというもの、店から出るどころかその生活のほとんどを自室で過ごすようになった自分にはあまり縁遠い世界で、思わずその光景に息を飲み。立ち止まる相手につられるように立ち止まり、その見たことない広い風景に目を輝かせ。相手はいつもこんな場所にいたのか、それなら心惹かれて水に濡れるのも致し方ないのだろうかと思案していると投げかけられた言葉に目を合わせ。あぁそうだと、相手の言葉に本来自分が何をしてきたのかを思い出し。きっとこの水に相手の言う"自分と相手のイイ事"があるのだと思えば、それが何なのかも分からないのに自分の心は興奮し。相手を見つめ返せば「----怖くない。だから、俺にも教えて。落陽」と相手の名前を呼んで)
>巳丞さん
-----そう、ですか。
(居場所がない自分に居場所を与えてくれた。たったそれだけだが相手に従順になるには十二分な理由で。この居場所を失いたくないと、相手や仲間たちに嫌われたくないとその一心で迷惑を掛けたくないという一種の強迫観念にさえなっており。故に相手に掛けられる言葉、仕草、気遣いに必要以上に敏感になってしまっているのは自覚しているつもりだ。しかし直すことも出来ず今もこうして相手の前では叱られている子供のように肩を縮め頭を下げることしか出来なくて。不意に伸ばされた手にきつく目を閉じるが、自分が考えていたものとは違いその手は乱雑に、しかし暖かく自分の手を撫でて。予想もしていないことにハッと顔を挙げ、困惑しながら見つめていたが相手から紡がれる言葉に嬉しさから顔を赤くし微笑みを浮かべては上記を述べ。顔を背けるその姿はあまり見たことがなく、しかし普段見たことがない姿を見せてくれたという何気ない優越感を感じればふふ、と声を上げて笑み。「---癖になってるのは、正直否めません。でも、謝る回数は……減らせるように頑張ります」顔を背けてしまった相手の傍により、近くに膝をついて覗き込むように首を傾げると前記を、そして続けて「---いつも見ていてくれて、ありがとうございます」と日頃の感謝を述べて)
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