ノアール狐 2015-07-12 02:11:13 |
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本当に何なんだろうかコレは。お見合い相手の情報見てる感じだ。
っていうか、『食べ頃』って何なんすか、『食べ頃』って。そんな趣味ないし。というかそんな趣味ってどんな趣味だコラ。
そうこう考えているうちに、目の前に朝食が運ばれてきた。
「むー…家に居る時くらい、仕事のこと忘れなよぅ」
「そんなこと言ったって…コレ、自分が勝手に進めてることっすよ?」
霊花は手際良くテーブルに皿を並べていく。スクランブルエッグに目玉焼き、卵焼きに、ゆで卵……………
その後、次々と出てくるのは卵料理ばかりで_______
「……何すか……コレ……」
「えっと……お隣の菅野さんが卵一年分を当てたみたいで……お裾分けにと、分けて下さったんだけどぅ……」
「その量が半端じゃないから、こんな卵尽くしになった……ってワケっすか……」
「……うん」
あぁ……何か厄日かもしれない…
そう肩を落としていると、ピンポーンとチャイムが玄関から聞こえてきた。
…さっきの借金取りだったら本気で問答無用に半殺しにしてやる……
そんなことを考えながら適当に「は~い」と返事を返す。
良く考えたら、ドア壊れてたっけ……まぁ、壊れたのは鍵だから、開閉に問題はないんだけど。
「はいはい、どちらさんっすか?」
いろいろ考えながらドアを開けると、そこには隣の家に住んでいる菅野さんの姿があった。
ハゲの優しいおじさん、という印象が良く似合う人で、実際ハゲてるし優しい。そんな菅野さんは大きな段ボールを抱えていた。
「やぁ、癒歌ちゃん、おはよう。」
「あ、はい。おはようっす。」
「すまないね、こんな時間に。ちょっと渡したいモノがあって……」
「渡したいモノ?」
何だろう……
嫌な予感しかしないっすね……
そして、その予感は、即座に的中した。
「これ!くじ引きで食パン一年分当たったから、お裾分けだよ!」
「いい加減そのくじ運どっかに捨てて来やがれッ!!!このハゲオヤジッッ!!!!!!!!!」
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