_ 2015-07-01 17:17:14 |
通報 |
>28 [ 向坂 周 ]
(___夏の匂いがする。田舎らしさを醸し出す近くの海から夏を思わせる潮風が流れ、鼻を優しく掠める。神社に鳴り響く鈴の音は今日も変わらず、加えて小さな町から聞こえる風鈴や自転車の音が鼓膜を揺らして思わず瞳を閉じた。夏になると思い出す、まだ幼かった彼の事とまだ未熟者だった自身の事。今では”遠い思い出”となってしまったあの日の出来事はそれでも尚自身の脳内に焼き付いて離れない。もうすっかり廃れてしまったこの神社の事を、果たして彼はまだ覚えているだろうか。それとも大人になった彼の記憶にはもう自身は居ないのだろうか。色が落ち始めた鳥居を撫でる様にす、と手で触れては黄金の尾をゆらりと揺らして言葉を落とす。「…周。」それは空気に溶ける様にして消えていったが、自身の脳内ではしっかりと響いて木霊した。再びその景色を目に映す、と。潮風に乗り胸を擽る様な匂いが存在を知らせる様に鼻をついた。「…周、?」それは、忘れもしない。暖かくて、優しくて、それでいて何処か力強かった正しく”彼”の_____階段の音がする。暫く無人だった神社に、久しぶりの来客。反射的に身体を神社に向けては隠れる様に林の中へと姿を消してはその姿を確認しようと鳥居へ視線を遣りて。胸が痛い、先程の匂いのせいだ。この町に周がいる、周が帰ってきた。長年の年月思い描いたその瞬間、淡い期待がこみ上げる中その視線の先に映ったのは。「…周!」思わず林から飛び出せば鳥居に見えたその人影に足早に駆け寄り)
>pl様
( /それでは早速絡み文落とさせて頂きます( ´ ` )まだまだ未熟者ですが、どうぞ宜しくお願いします)
トピック検索 |