インスタントカップル　BL

（下校途中手を繋いで、というよりかは引っ張られながらついて歩くのが精一杯で己と相手を見てくる視線の数々に気付くも大して気になることなくただひたすら引っ張られて歩き。己の自宅とは逆方向だったのでちらちらと景色を見渡しながら歩き続け相手の自宅は高校からそれ程距離が離れていない事を知ったり自宅を知れて脳内で高校から相手の自宅までのルートを必死に覚えて。景色を見ながら歩いていたので相手の怒りは治まるどころか悪化しており施錠を解除されるとそのまま無理矢理室内へ入らされ玄関の狭いスペースの壁へ強く背中を押し付けては驚きのあまり「…っ！？」と痛みから表情が歪み壁際に追い込まれる心境を理解するも明らかに不愉快だといわんばかりの鋭い視線で射抜かれると先程と立場が逆転した気分になりどうしてそこまで相手が激怒する理由が未だに理解できずしっかりと相手の瞳見つめ「弓弦先輩、あれは別にべたべた触ったのではなくて、先輩の唇と柔らかさを比較しただけですので。」ときっぱりと伝えてはそのまま会話は続けられ「それに……俺はあくまで先輩の恋人同士のフリをするだけなので、なぜ先輩がそこまで激怒するのか判らないです。先輩は俺に恋人同士のフリ以上のことを求めているのですか？」と恐る恐る発言するも相手がそのつもりの場合に備え色々と対策練ってまとまれば己の右手を相手の左頬へと伸ばして軽く触れては「先輩って笑っているだけかと想ってましたが、怒ったり嫉妬したりするのですね。今の先輩、彼女に嫉妬する彼氏みたいですよ。なんて言うか……流石ですね。先輩ってそんな器用なこともできるだなんて恐れ入ります」と現在のこの状況で我を見失うことなく冷静沈着に事を進め落ち着いた様子で相手を見詰めて）