土佐人 2015-05-26 05:15:51 |
通報 |
岡崎 (略)それで最初に『アマゾン』の話を頂戴したときも、自分の中では「もう子供番組はいいや」っていう思いが強かった。まあ、当時は生意気盛りの若造でしたしね(笑)。
村枝 それが一転、OKとなったのは?
岡崎 最初に断ったとき、「取りあえず目だけでも通しておいてくれ」と、マネージャーが番組の企画書を置いていったんです。で、読んでみると、その内容が僕の好きな『狼少年ケン』や『ターザン』のイメージそのもの。僕の中でも役作りのインスピレーションがパッと浮かんできて、「これならやってみたい」と……。そこで決まっちゃったような感じですね。
(略)
村枝 バイクを海に投げ捨てるシーンといえば、第3話、アマゾンと立花藤兵衛の出会いを描いた重要なエピソードですよね。その藤兵衛を演じられた小林昭ニさんは、岡崎さんから見てどのような印象でしたか?
岡崎 実はうちの父が昔から洋画好きで、中でもジョン・ウェインが出演している西部劇の大ファンだったんです。小林さんといえば、ジョン・ウェインの吹き替えでおなじみでしょう。だから、そんな小林さんと共演できることが内心ものすごく嬉しくて、公私をわきまえず小林さんにサインをお願いして、父に送ってあげたこともありました。
個人的な印象としては、一見おっとりしているイメージですが、現場ではすべての責任を背負い込んでる感じでした。
村枝 当時はスタッフを含めて、小林さんが最年長でしたものね。
岡崎 (略)オーバーな言い方かもしれませんが、あの方なくしては『仮面ライダー』の映像は生まれてこなかったでしょう。まさにその屋台骨を支えていたのが小林さんでした。
村枝 ライダー好きの僕らにとっても、小林さんは伝説的な存在ですからね。(略)
それまで小林さん=立花藤兵衛といえば、厳しくも温かい目でライダーたちを叱咤激励する文字通りの「おやっさん」だったわけでしょう。それが一転して、この作品ではアマゾンに翻弄される。“コミカルなおじさん”に早変わり。アマゾンの相棒はどこまでいってもマサヒコなわけですから、そのマサヒコからも「おじさん、余計なことしないでよ」なんて言われちゃっている。そんなキャラクターの使い分けというか、小林さんならではの引き出しの多さを楽しめるのも、また『アマゾン』の魅力でしたね。
岡崎 そうですね。例のバイクを投げ捨てるシーンなんかでも「アマゾン、これ、乗る!」なんてセリフからして振り回されている感じがよく出てましたものね。
漫画『仮面ライダーSPIRITS』16巻 ZKCファイナル特別対談 岡崎徹(アマゾン・山本大介役)× 村枝賢一 より
トピック検索 |