アニメ・漫画・ドラマ・小説・特撮ドラマなどの名言&名文を伝える2

アニメ・漫画・ドラマ・小説・特撮ドラマなどの名言&名文を伝える2

土佐人  2015-05-26 05:15:51 
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アニメ・漫画・ドラマ・小説・特撮ドラマなどの名言&名文を伝える2

諸事情により最初に作ったトピに入れないので2を作りました。

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  • No.504 by 風人  2016-06-21 18:57:58 

「天馬さんはご自分の強運を認識していなんだと、別宮さんは言っていました。そう、こんな風に。……だって、天馬君は中途半端だから」
結城が痙攣のように笑う。明らかに葉子の模倣(ミミック)だ。真顔に戻って、続ける。
「天馬さんのドジで、お二人の初デートが中止になった時、別宮さんは震え上がったそうです。ドライブの予定先が集中豪雨で土砂崩れを起こし、車が何台も生き埋めになった。逆算すると、土砂崩れの時そこを走っていてもおかしくなかったとか」
知らなかった。あの後僕は腫れあがった顔でフテ寝して、二日間ニュースも見なかった。
「駅のホームで壺を壊して十万円の借金を背負った時は、割りのいいバイトがダメになったそうですね。実はそのバイトは学生名義で借金をさせ上前をかっぱく悪質な詐欺バイトで、社会問題にもなりました。もし関わっていたら五百万円以上の借金を押しつけられたはず。下手したら詐欺罪にも問われます。その時は、別宮さんは天馬さんと冷戦状態で言えなかったんだとか」
結城は、尊敬のまなざしで僕を見る。
「極めつけはご両親の事故です。墓参り当日、具合が悪くなったあなたはひとり留守番をした。同じ和菓子を召し上がったのに、あなただけがお腹をこわした。その後ご両親の車は居眠り運転の高倉のトラックと正面衝突して亡くなった……。天馬さん、あなたは稀に見る強い守護星に守られているんです」
思い出した。その和菓子は葉子の家からのおすそ分けだった。そのお礼に僕は、仄暗い碧翠院の境内で葉子にアリグモの話をして、思い切り冷ややかな眼で見られてしまったのだ。両親の葬式の時、葉子がしおらしくしていたのは、僕の腹痛の原因がその和菓子だと聞かされていたからだ。今日まで思い出すこともなかった。ささやかな事実。
ようやく僕は真実を知った。葉子こそ光と影を入れ替えてくれる、僕の女神だった。
刺だらけの血塗れヒイラギが護っていたのは、時風新報桜宮支所だけではなかった。

海堂尊『螺鈿迷宮』三十五章 螺鈿の闇と光の中で 本文 天馬大吉 結城 より

  • No.505 by 風人  2016-06-21 19:31:21 

インターポールか・・・・・・
これでアンリもなんとか助かる

よかった・・・・
ごめんね・・・・
ジョージが流れついた時 このヘルメットを隠したら ずーーっとヒナウの家にいてくれると思ったの・・・・
でも・・・・
行かなきゃね
ジョージの腕は・・・・
みんなを 守る腕 だもんね

漫画『仮面ライダーSPIRITS』2巻 第6話 右腕の記憶 ライダーマン(結城丈二) ヒナウ より

  • No.506 by 風人  2016-06-21 19:37:28 

そう・・・・お母さんはクリームシチューが上手なの

うん

じゃあ明日にはまた作ってもらえるわ

ホント!?
元気になる?

ええ
あなたがお母さんのそばにずっといてくれたおかげね

じゃあじゃあ
かめんらいだあもスグによくなる?



だってね
かめんらいだあにもいたのよ
ずーーっとそばにいてくれる人

漫画『仮面ライダーSPIRITS』10巻 第9話 魂の結成 フレイア 少女 より

  • No.507 by 風人  2016-06-21 20:15:22 

・・・・・
夢・・・・・?
我が夢など見るものか・・・・

ちがう



それは私の夢だよ
JUDO
私とお前の記憶だよ・・・・
この惑星に生物が宿る前の・・・・な

・・・・・

JUDO・・・・か
お前が呼称を持つとはな・・・・
我々に名など意味がないものだろう・・・・

フ・・・・・
必要なのだ・・・・
人間のように感知する力に乏しい者たちには
支配者を恐れ唱える呼び名がな
ク・・・・ク・・・・
どうだ・・・・
一つ戯れに
キサマも 何かの名で呼んでみるか?

・・・・そうだ
我らが降り立った「聖地」・・・・
ヤマトに造らせた神話では
キサマ 人間にこう呼ばれてたな

「ツクヨミ」・・・・と
そして我は「スサノオ」
キサマに破壊されたあれは・・・・
「アマテラス」・・・・とな

ムダだ・・・・
JUDO
・・・・ここは私が造りだした虚空の牢獄だ
ぬけ出せやせんよ

チ・・・・
黙れ!!
唱うな!!
我の幽閉と引きかえに
己の肉体を失い
頭蓋をさらした
裏切り者が
そうだ・・・・
まるでキサマの魂を受け継ぐように
人間の中からも反逆者が出ようとは・・・・
一条享
村雨しずか
ZX(ゼクロス)
そして
カメンライダー
まさか・・・・
キサマがやらせているのか

ちがう
人間の意志だ
自由と命を求める人間の・・・・な

自由・・・・?
命・・・・?
人間が
やはりキサマは 壊れてしまった様だな

・・・・・
しかし・・・・ZXへの移り身のかなわぬ今・・・・
JUDO
お前の自由も潰えた

フ・・・・いい気になるなよ
ツクヨミ・・・・

漫画『仮面ライダーSPIRITS』第3部 序章 JUDO(スサノオ) ツクヨミ より

  • No.508 by 風人  2016-06-21 21:26:07 

ハァ・・・・

あ・・・・あの

村雨良だ・・・・・

この人が・・・・10人目の仮面ライダー・・・・

沖さんの事 聞かせてくれないか

え?

義経の言っていた
「望んでなった」という9号ライダーの話を

(略)

数年前 国際宇宙開発研究所

ヘンリー博士
宇宙開発用改造人間第1号には 僕が志願します

一也・・・・
君は孤児としてこの研究所で育てられた
そのために自分を犠牲にしようとしているのではないのか?

・・・・違います
僕が志願したのは 科学者だった両親の遺志をを継ぎたいからです
父も・・・・母も・・・・
人類の未来を
宇宙に懸けていました

スーパー1 目覚めよスーパー1

大気汚染 飢餓 資源の枯渇
エネルギーの供給を宇宙に求めた国際宇宙開発研究所はスーパー1を造り上げた
一也さんは そのプロジェクトチームの一人だったの

そうか・・・・
自ら望み・・・・
そして求められて生まれてきた・・・・か
そんな仮面ライダーもいたんだな

いや・・・・なんか嬉しそうだな・・・・って

嬉しい・・・・
そうかもな
同じ改造人間として・・・・
それほど
恵まれてる者がいる・・・・
それは我が事のようにな・・・・

漫画『新仮面ライダーSPIRITS』5巻 第18話 黒き赤心 村雨良 沖一也 草波ハルミ ヘンリー博士 より

  • No.509 by 風人  2016-06-22 06:48:28 

チイッ 梅花

ダメよ!!ダメダメ
同じ赤心小林拳が争うなんて・・・・
ちょっと・・・・・
そこの村雨良!!
見物してないで 早く二人を止めてよ!!

いや・・・・

「いや」・・・・?

しかし・・・・

「しかし」?

これだけ仲良く盛り上がられちゃ止めるのも無粋かなと思ってな・・・・

「仲良く」〜〜!?

やはり・・・・来ない・・・・
・・・・とすれば梅花は・・・・
な・・・・

ヒュ ウウ

師範 なにを・・・・

数珠はどうした
僧兵にとって 数珠とは
戦の中で いつ何時 首を奪われたとしても魂は赤心寺と共に在るためのものだと教えたはずだぞ

ガッ

それと・・・・キサマ
息が少々生臭い

漫画『新仮面ライダーSPIRITS』第19話 矛と盾 沖一也 村雨良 草波ハルミ 義経 地獄谷五人衆ヘビンダー より

  • No.510 by 風人  2016-06-22 19:30:04 

「フフフフ!見たか、天道総司!加賀美新!天は我らに味方した!私はこの場を生き延びる!そしてネイティブ軍団を再構築し、人間どもを全滅させてやる!」
送信施設で小爆発が始まり、その爆発を盾にしている根岸を追撃できないハイパーカブトとガタック。
笑いながら逃げてゆく根岸。
しかしそんな根岸の腕を掴んで止めた黒いライダーがいた。
「お、おまえは!?は、離せ!」
根岸を引き留めたのはダークカブトだった。
「天道総司、この世界ん頼んだよ。ひよりがいるこの世界を……ボクたちの世界を」
「任せろ」
ダークカブトは根岸を連れて送信施設に飛び込んだ。
「うわああああああ!?」
同時に送信施設は大爆発を起こした。
ドドーン!
激しい炎が天を焦がし、どす黒い爆煙が舞い上がった。
その炎を見ながら天道は変身を解除した。
同じく変身を解除した加賀美は力を使い果たし、その場に崩れ落ちそうになった。そんな加賀美の肩を天道が支えた。
「やったな、天道……」
「もうちょっとスマートに決めたかったんだがな……」
「よく言う……」
「加賀美……一度しか言わないからよく聞いておけ」
「なんだ?」
「同じ道を往くのはただの仲間にすぎない。別々の道を立って往けるのは」
「友達だ」
「ああ」
「それもおばあちゃんの言葉か?」
「いや、俺の言葉だ」
天道がニヤリと微笑んだ。
加賀美もニヤリと返した。
「加賀美君!」
「師匠〜!」
岬と蓮華が駆けてくる。
その後方から田所もやってくる。
「陸さんも無事だ。よくやったぞ、二人とも!」
それぞれがそれぞれのできうることを全力でやりきった。爽やかな笑顔を浮かべていた。
加賀美と天道も……。
二人は今、並び立っていた。

米村正二『仮面ライダーカブト』決戦!3 本文 仮面ライダーハイパーカブト(天道総司) 仮面ライダーガタック(加賀美新) 仮面ライダーダークカブト(擬態天道総司) 根岸 岬 蓮華 田所 より

  • No.511 by 風人  2016-06-22 19:52:29 

「子供のころ、まだ物心ついて間もないときに、父親は俺の目の前で死んだ……」
炎が舞いあがる武家屋敷の一室、身体中を矢に貫かれた丈瑠の父親は、棒立ちの息子に向かい自分の代わりに闘え、今日からおまえがシンケンレッドだと言い残し、この世を去った。手渡された折神の意味もわかんないその息子へ、すべてを託して父は死んだ。
「でもその当時、俺はまだ死の意味がはっきりわかってなかったんだと思う。死というものがどういうことなのか、まるで理解していなかったんだ」
「……今は、どうなんですか?」
丈瑠は俯く。西村は答えが戻ってくるのをじっと待っている。しばしの間。
「あれ以来、俺はずっと孤独だった……人との繋がりを避け、壁を作り、一定の距離を保ち生きてきた……人との繋がりを持てば、それは弱さになる。自分に近づけば、それだけその人が危険に晒される。だから……それが俺の生き方だった……」
「…………」丈瑠の言葉が過去形だったことに、西村は安堵の思いだった。それはつまり、今は違うと言っているのが同意だからだ。
「だから、俺にはわからない。身近な人間が突然いなくなるなんて経験を、したことがないから……」
「その言葉を聞けて、少しほっとしましたよ……」
「…………」意味が分からないので西村を見やる丈瑠。
「あなたは強い……とてもね。そして、その強さに裏打ちされているのは深い思いやり……つまり優しさです」
「なぜ、そう言いきれるんだ?俺はただの、人付き合いの悪い殿様だ」
「口にしなくてもわかりますよ。なにせ私は精神科医ですからね。あなたにたとえ近しい人を失った経験がなかったとしても、あなたは今現在これだけ心痛めている……自らを責め、その責任を必要以上に感じて、深く苦しんでいます」
「…………」
「きっとあなたなら大丈夫……あなたなら成し遂げられる。だから、自信を持ってください……それは私が保証しましょう」
「そういう、ものなのか?」
「そういうものです。理想は高く、妥協する必要はありません……ただし、自分をあまり責めないでください……私に言えることは、それくらいですかね?」
「知らないうちに、俺はカウンセリングを受けていたようだな」そう言うと丈瑠は椅子から立ちあがる。
「お代はけっこう、ただし……」西村は言葉を切って丈瑠を見つめる。
「必ずこの世を救ってください」そう言うと西村も立ちあがり力強く、そしてまっすぐに丈瑠を見やる。
「ああ……わかった」丈瑠も力強く頷き、そう答えた。
「幸運を……」そう言うと西村は手を差し出した。
二人は固い握手をかわして、そして別れた。

大和屋暁『侍戦隊シンケンジャー』26 本文 志葉丈瑠 西村 より

  • No.512 by 風人  2016-06-22 20:50:06 

「早く正式な隊員になりたい……そして組織が密かに開発しているというマスクドライダーシステムを使って……弟の仇を……!」
そう一人ごちてある加賀美のズボンのポケットから男が財布を奪って走り去った。
「アッ!」
と、なりながらもバイクのスタンドを立て、それから慌て追いかける加賀美。
「待て!」
元高校球児で足には自信のあった加賀美だが、男の足はそれより速い。
必死に追いかける加賀美と逃げる男の前方から作務衣(さむえ)を着た一人の男が歩いてくる。
道は狭く、このままでは作務衣姿の男と引ったくりの男がぶつかってしまう。
「危ない!逃げて!」
加賀美が叫ぶ。
しかし作務衣の男は堂々とまっすぐ歩いてくる。
引ったくりの男は刃物を出して作務衣の男に叫ぶ。
「どけ!」
それでも堂々と歩く作務衣の男。
引ったくりの男は威嚇のために刃物を振り回す。
作務衣の男は刃物が届かないと見切っているが如くに微動だにしない。
実際、刃物は男の首のギリギリを空振りした。
加賀美は引ったくりの男にタックルした。
ZECTで鍛えられた格闘術で男を素早くねじ伏せ、男の右手から刃物を手放させ、関節を決めた。
そして加賀美は男から財布を奪い返した。
だが男は加賀美が安堵した一瞬のスキを見逃さず、ドン!と加賀美を押し倒し、逃げていった。
「いって〜」
と、押し倒しされた際に後頭部をさすりながら立ち上がった加賀美はジッとこちらを見ている作務衣の男と視線を重ねた。
「危ないじゃないか。なぜ逃げないんだ?」
「俺は誰からの指図も受けない。俺の通る道は俺が決める」
相変わらず作務衣の男は堂々としていた。
「はあ……?」
加賀美はその返答に呆気にとられた。
「そしてもう一つ。へたにかわせば」
作務衣の男は持っていたボウルの中を見せて言った。
「せっかくの豆腐が崩れる」
加賀美はさらに呆れて言った。
「あのな、運良く助かったからいいようなものの、へたすりゃ刺されてたかもしれないんだぞ」
「運良くという言葉は俺にはない。だいいちこんななまくらは俺の命まで届かない」
男は引ったくりが落としていった刃物を下駄で踏みつけた。
「なんなんだ?おまえ」
「おばあちゃんが言っていた」
作務衣の男は神が降臨したかの如く、人差し指を手に向けてこう言い放った。
「天の道を往き、総てを司る男……」
思わずその人差し指の先を見上げる加賀美、そこには眩しい太陽が輝いていた。
「俺の名は天道総司」
光り輝く天道の姿には後光が差していた。
それが加賀美と天道の出会いだった。

米村正二『仮面ライダーカブト』選ばれし者 本文 天道総司 加賀美新 引ったくりの男 より

  • No.513 by 風人  2016-06-22 21:20:27 

三途の川。イカシンケンオーはそこにいた。
コクピットの一行。顔を見合わせている。

(略)

「それでも、あの船を沈めれば……命を賭ける価値はある、か」
「せめて一撃!いいな!?」レッドは一同の顔を見返す。
「おう(はいっ)!」
イカシンケンオーは六門船をめがけて走り出す。
「はああああああああああああああああああ!」六人の雄叫びと共にイカシンケンオーは槍を振り上げる。
「行くぞっ!」
レッドの声と共にイカシンケンオーの背中のウイングへと雷が降ってくる。避雷針のようにウイングが落雷を吸収、エネルギーがチャージされ集約されたそれが槍の刃部分へっ集中する。
「槍烏賊一閃!」レッドたちは声を合わせ叫ぶ。
槍を六門船をめがけて降り下ろす。
激しい激突音と衝撃が、大きく六門船を大きく揺らし水しぶきが飛び散る。
哀れ六門船は真っ二つかと思われたが……実際はそうはならない。六門船は壊れることなくそこにあった。
「なに!?」
見れば六門船の舳先にはもうひとりのはぐれ外道、腑波十臟がいる。サイズの違いもお構いなしに彼の愛刀裏正で、イカシンケンオーの一撃を受け止めているではないか!
「十臟!」
「悪いな、シンケンジャー。だが、まだこの船を沈めさせるわけにはいかない。はあ!」
気合いと共にイカシンケンオーの槍を弾き、たたらを踏ませ後方へと下がらせた。
「フ……」
「なんて野郎だよまったく!」
「源太!まだいけるのか!?」ゴールドを見やり叫ぶ。
「さっきからとっくにやばいって!」
「殿!攻撃を!」
「へっ、あいつら道連れにできんだったら!」
「この命、惜しくはない!」
「殿様!」
「覚悟はできてる!」一同は叫んだ。
皆一様にノリノリである。敵の本拠地を叩くチャンス。命に代えても逃すわけにはいかないという空気に完全になっている。
「…………」レッドは隙間と六門船を見やる。隙間は確実に小さくなっている。
このまま闘いを続ければ、隙間は閉じ、自分たちは確実に命を落とすことになる。レッドは悩む。千載一遇のチャンスではあるが、絶体絶命のピンチでもあった。
レッドは考える。進むか?退くか?
「殿、やりましょう!」
「丈瑠!」
しかし、
「……撤退だ」レッドは悩んだ挙げ句、決断した。
イカシンケンオーは六門船を一瞥し、背を向け隙間へ向かった。
「…………」その背中を見やる十臟。
そして同様に、船の中からドウコクらが、その背中を見送っていた。
「シンケンジャー、あいつら……」今度会ったらぶっ殺す。そんなニュアンスを言葉に込めてドウコクは呟いた。

大和屋暁「侍戦隊シンケンジャー 三度目勝機」本文 シンケンレッド(志葉丈瑠)シンケンブルー(池波流ノ介)シンケンピンク(白石茉子)シンケングリーン(谷千明)シンケンイエロー(花織ことは)シンケンゴールド(梅盛源太) 腑波十臟 血祭りドウコク より

  • No.514 by 風人  2016-06-22 21:49:50 

そんなどん底まで堕ちた影山を助けたのは、やはりすべてを失った矢車であった。
「影山、いい顔になったな。俺はといっしょに地獄に堕ちるか?」
「これ以上の地獄がどこにあるというのさ?」
「俺の弟になれ」
矢車はそう言ってホッパーゼクターを影山にポイと投げつけた。
「……あんただけだ、俺に振り向いてくれたのは」
影山は矢車に感謝した。
「二人で歩いてゆこう。ゴールのない暗闇の中を」
こうして影山は矢車を「兄貴」と呼ぶようになり、キックホッパーと同じく第三勢力のライダー、パンチホッパーとなったのだ。
ZECTにとってもひたすら迷惑な存在となった矢車のキックホッパーと影山のパンチホッパー……二人はいつしか『地獄の兄弟』と呼ばれるようになった。
それでもパンチホッパーとして再びライダーの力を手に入れた影山にはワームを倒したいという気持ちが芽生えもしたが、矢車はそんな影山にこう吐き捨てた。
「いいよなおまえは、正義の味方の燃えカスがあって……そんなもん、ウジ虫にでも食わせてしまえよ……ああ、生きているってむなしいよな……どうせ俺なんか……」
あくまでも光を求めない矢車の態度に影山も光を求めることをやめた。

(略)

北欧行きのタンカーが、月光を反射して波模様を作る大きな海を切り裂くように進んでいた。
夜の海原はすべての音を吸い尽くしたように静かだった。
柔らかな月光を浴びたタンカーの一角に密航者の影があった。
淡い月光さえ届かない暗闇の壁にもたれて、矢車が座り込んでいた。
矢車の腕には影山が抱かれていた。
「相棒、俺たちは永遠にいっしょだ」
しかし矢車には頬を寄せるように俯いたままの影山は瞳を閉じて動かない。
「行こう、俺たちだけの光を掴みに……」
影山は返事をしない。
「けっして輝かない闇にまみれた光を掴みに……なあ、相棒」
影山は息をしていなかった。
矢車の瞳から涙がこぼれ落ちた。
その血の涙は月光を反射してどす黒く光った。
それこそが二人が掴もうとしていた闇の光なのかもしれなかった。

米村正二『仮面ライダーカブト』決戦!2 本文 仮面ライダーキックホッパー(矢車想)仮面ライダーパンチホッパー(影山瞬) より

  • No.515 by 風人  2016-06-23 06:14:03 

天道家の台所には料理をするひよりの姿があった。
その横では樹花がひよりを手伝っていた。
「ひよりさん、わざわざ来てくれてありがとう」
「いいんだ、これぐらい」
樹花とひより……二人は共に天道の妹だった。
だがそのことで話をしたことはない。
それでも二人は何か不思議な絆みたいなもので結ばれているような気がした。
だからお互いがお互いの存在に温かいものを感じていた。
「いいにお〜い!ねえ、ひよりさん、どんな料理ができるの?」
「ビストロ・サルで僕が出そうと思ってるメニューなんだ……まだ完成してないんだけど」
二人並んで料理を作った。
やがて食卓にはひよりのシェフデビューの料理が並んだ。
「わ〜!どれもおいしそ〜」
「どうぞ」
「いただきます」
樹花が勢いよく食べ始める。
「おいし〜!これ、お兄ちゃんの作る料理とおんなじだ」
「え?」
「優しい妹……」
「そう……ありがとう」
樹花の言葉がひよりには嬉しかった。
「おばあちゃんが言っていました。料理は人から人へ受け継がれ、その味は人と人をも結ぶって」
おばあちゃんの言う通りだった。
たしかにひよりは料理でたくさんの人とも繋がった。
目の前にいる樹花とも加賀美とも弓子とも、そして天道とも。
そしてひよりと樹花はまだ帰ってこない兄の無事をいっしょに祈った。

米村正二『仮面ライダーカブト』決戦! 2 本文 天道ひより 天道樹花 より

  • No.516 by 風人  2016-06-23 06:40:38 

どんな状況でも彼らはこの世を守りきった。だからこそこの風景を愛おしく思える。この風景を見やることができるのが、奇跡のように感じられる。
「たしかに、そう考えて見ると感慨深いものがあるな……」
「ま、あと一秒でも三途の川から戻るのが遅かったら、そんなことも言ってられなかったんだろうけど?」
「たしかにそうかもね」
千明の言うとおり、丈瑠が三途の川から撤退を決心するのがあと一秒でも遅かったら、彼らはこの世に戻れなかった。それは事実だ。彼らが隙間から飛び出した瞬間、装置は彼らの帰還を待っていたかのように派手な音と共に爆発四散した。まさに間一髪の生還劇だった。
「で、丈ちゃん?なんであそこで戻るって決めたんだ?」
「そのことか……」丈瑠は苦笑いを浮かべる。
「…………」一同は丈瑠に注目する。
丈瑠は一同を見渡し、そしてまた風景に目を戻す。
「……なんとなく、だ」
嘘だった。
丈瑠自身、自分の命を惜しいとはまったく思っていなかった。外道衆の本拠地を叩けるなんてチャンスはそうたびたびはない。だが、結局のところ、仲間の命とチャンスを天秤にかけた途端、丈瑠は仲間の命を取ったのだ。ただそれだけの話だ。

大和屋暁『侍戦隊シンケンジャー 三度目勝機』43 志葉丈瑠 池波流ノ介 白石茉子 谷千明 花織ことは 梅盛源太 より

  • No.517 by 風人  2016-06-23 13:52:09 

おい

あれ

よっと

千弘くん!!
千弘くん!!千弘くん!! 生きてたんだね!!

バッカ 俺が死ぬかよ

ワアアア

村上ぃ!!

先生

スマンかったなぁ・・・・ お前にばかり迷惑かけてなぁ・・・・

アレ アライグマ 死にたがりなおったのかよ・・・・

(略)


ええ?ネオショッカーが逃げ出した?

ああ もうちょいで全滅だったんだけどな

ス・・・スゴイ!!
じゃあ 千弘くんが!?

俺じゃねえよ
俺もちったあがんばったけどな
やったのは
仮面ライダーーよ

カメン・・・・ライダー・・・・
って 千弘くん キライじゃなかったっけ

俺はさ・・・・
本当はそんな
たいしたヤツじゃねえんだ

千弘くん・・・・
少し変わった・・・・?

漫画『仮面ライダーSPIRITS』第4話 共闘 村上千弘 少年 先生 生徒たち より

  • No.518 by 風人  2016-06-23 15:10:50 

京都で 滝が待っている
行ってやってくれ
お前も「仮面ライダー」ってやつの一人なんだろ



・・・・・
まだ抵抗あるかい?
・・・・だよな



あるよなぁ
普通・・・・・


筑波君!!筑波君!!
私は・・・・ この青年を死なせたくない!!

これは・・・・
この顔は・・・・
これが俺の姿か・・・・
俺が目を覚ました時は
すでにネオショッカーの改造人間計画に巻き込まれてた後だった
そして
その科学者は
俺の姿を見て・・・・
罪悪感に押しつぶされそうになっていた

君には詫びる言葉もない
私を憎んでくれ!!

博士・・・・
見てください
この・・・・力を・・・・

セイリングジャンプ!!


そ・・・・
そんな話・・・・
ただのやせ我慢じゃないか

・・・・・・・・かもね
だけどあの時 俺は一人の科学者の涙を止めた・・・・
あれが俺にとって
仮面ライダーとしての最初の仕事だった

ば・・・・ばかな!!
俺にそんなマネができるか!!

おい・・・・

俺はな・・・・
バダンの尖兵として何人も・・・・
何百何千の人間を殺してきたんだぞ!!
この・・・・
この俺の体は・・・・
いずれ JUDO のものとなる!!
その時・・・・
俺はまた人間を殺して・・・・
そしてキサマも!!

だから
いいんじゃないか
それでも・・・・
それでも 戦っていいんだぜ
村雨良 君は・・・・
人間のために 戦っても いいんだ

漫画『仮面ライダーSPIRITS』9巻 第5話 旅立ち 筑波洋(スカイライダー) 村雨良(仮面ライダーZX) グレゴリー警部 志渡敬太郎博士 より

  • No.519 by 風人  2016-06-23 19:14:28 

ヒ・・・・ヒイ・・・・
た・・・・助けて・・・・
あ・・・・
!! ノリちゃん早く!!
!!

ったく・・・・
鴨川のせせらぎが台無しだぜ

こいつら風流ってもんがわかっちゃいねえ

なあ 滝

まあな 一文字

しかし一文字 いくら変装ったって こりゃ 逆に目立っちまうんじゃねえか?

そうか? ホラ・・・・
大丈夫

ヒッ・・・・
!!
お母さん!!

おうおうおう!!
出やがったな ナメクジキノコ エイドクガー

ノリノリだろ お前

京の町を騒がす 悪党どもよ!!
このベルトが目にはいらねえか!!

目・・・・つぶってな

変身

テメエの相手はこっちだ
へ・・・・
こいつは結構 使えるぜ 結城!!

ム ウンーー
ライダアアア キイイイック

漫画『仮面ライダーSPIRITS』9巻 第6話 部隊 仮面ライダー2号(一文字隼人) 滝和也 母親 ノリちゃん より

  • No.520 by 風人  2016-06-23 19:35:04 

「それはそうと源太、あの装置、あれからどうなった?」丈瑠は源太に向き話を変える。
「ああ、それがさ、難航してるらしい。設計図はあるし部品も作った本人がいるってのに、あの装置の復元は難しいらしい」
「ってどういうこと?だって設計図はあんだろ?だったら……」
「さあな、どういうわけかそのとおりに作ってもうんともすんとも言いやしない。作った本人も首傾げてやがったよ」
「そうなんや……なんか不思議な話やな」
「結局のところ、あの装置には博士の執念がこもっていたということだな」
「ちがうって、奥さんのために研究したんなら執念じゃないだろ」
「ほんまやわ。流さんムードないわぁ」
「え、いや、私はただ本当のことをだな……」
「つまり、大切な人への想いが奇跡を起こしたってことよね?」
「かもしれないな……」
おそらく装置は二度と作動しないだろう。皆が言うように大切な人に会いたいと思う心が、この世を護ろうとする人の意志が、そのときにはこもっていた。だからこそ、あの装置は奇跡を起こした。今ならそう素直に信じられる。けっして設定や整合性などを考えずに信じられる。

大和屋暁『侍戦隊シンケンジャー 三度目勝機』43 本文 志葉丈瑠 池波流之介 白石茉子 谷千明 花織ことは 梅盛源太 より

  • No.521 by 風人  2016-06-23 19:50:58 

その日のビストロ・サルの客席には珍しい客が来ていた。
仮面ライダードレイクの有資格者、風間大介とその相棒ゴンであった。
「あ〜!メイクアップアーティストのお兄さんだ!」
店の手伝いで注文を取りに来た樹花が素っ頓狂な声をあげた。
「久しぶりだね。しばらく見ないうちに随分と美しくなった。たとえていうなら……その……えっと」
「百合子のよう!」
ゴンがいつものように助け船を出す。
「そうそう、それそれ……って百合子はゴンの本名だろ」
「そうだよ。あたしだって名無しのゴンべは卒業だもん」
ゴンの言うとおり、髪を下ろしたゴンは少し大人っぽくなっていた。
「じゃあ、お嬢さん、ひよりみランチを二つお願いするよ」
「かしこまりました。ひよりさん、ひよりみランチ二つ入りました〜!」
「はい!」
厨房から、ひよりが元気に返事する。
ひよりは汗を拭う間もなく、料理を続けていた。
天道はまだ来ない。
でも寂しくはなかった。
「そばにいないときはもっとそばにいるか……」
ひよりは天道が言った言葉を思い出していた。
天道はそのうち必ず来てくれる。
そして店に入るなり、我が物顔でこう言うはずだ。
「サバ味噌!」
ひよりは料理を作り続けた。
扉が開き、厨房にも爽やかな風が吹き込んできた。
それは天の道を往く者が来た合図だった。

米村正二『仮面ライダーカブト』決戦!3 本文 天道ひより 天道樹花 風間大介 ゴン(百合子) 天道総司 より

  • No.522 by 風人  2016-06-23 19:51:04 

その日のビストロ・サルの客席には珍しい客が来ていた。
仮面ライダードレイクの有資格者、風間大介とその相棒ゴンであった。
「あ〜!メイクアップアーティストのお兄さんだ!」
店の手伝いで注文を取りに来た樹花が素っ頓狂な声をあげた。
「久しぶりだね。しばらく見ないうちに随分と美しくなった。たとえていうなら……その……えっと」
「百合子のよう!」
ゴンがいつものように助け船を出す。
「そうそう、それそれ……って百合子はゴンの本名だろ」
「そうだよ。あたしだって名無しのゴンべは卒業だもん」
ゴンの言うとおり、髪を下ろしたゴンは少し大人っぽくなっていた。
「じゃあ、お嬢さん、ひよりみランチを二つお願いするよ」
「かしこまりました。ひよりさん、ひよりみランチ二つ入りました〜!」
「はい!」
厨房から、ひよりが元気に返事する。
ひよりは汗を拭う間もなく、料理を続けていた。
天道はまだ来ない。
でも寂しくはなかった。
「そばにいないときはもっとそばにいるか……」
ひよりは天道が言った言葉を思い出していた。
天道はそのうち必ず来てくれる。
そして店に入るなり、我が物顔でこう言うはずだ。
「サバ味噌!」
ひよりは料理を作り続けた。
扉が開き、厨房にも爽やかな風が吹き込んできた。
それは天の道を往く者が来た合図だった。

米村正二『仮面ライダーカブト』決戦!3 本文 天道ひより 天道樹花 風間大介 ゴン(百合子) 天道総司 より

  • No.523 by 風人  2016-06-23 19:51:23 

その日のビストロ・サルの客席には珍しい客が来ていた。
仮面ライダードレイクの有資格者、風間大介とその相棒ゴンであった。
「あ〜!メイクアップアーティストのお兄さんだ!」
店の手伝いで注文を取りに来た樹花が素っ頓狂な声をあげた。
「久しぶりだね。しばらく見ないうちに随分と美しくなった。たとえていうなら……その……えっと」
「百合子のよう!」
ゴンがいつものように助け船を出す。
「そうそう、それそれ……って百合子はゴンの本名だろ」
「そうだよ。あたしだって名無しのゴンべは卒業だもん」
ゴンの言うとおり、髪を下ろしたゴンは少し大人っぽくなっていた。
「じゃあ、お嬢さん、ひよりみランチを二つお願いするよ」
「かしこまりました。ひよりさん、ひよりみランチ二つ入りました〜!」
「はい!」
厨房から、ひよりが元気に返事する。
ひよりは汗を拭う間もなく、料理を続けていた。
天道はまだ来ない。
でも寂しくはなかった。
「そばにいないときはもっとそばにいるか……」
ひよりは天道が言った言葉を思い出していた。
天道はそのうち必ず来てくれる。
そして店に入るなり、我が物顔でこう言うはずだ。
「サバ味噌!」
ひよりは料理を作り続けた。
扉が開き、厨房にも爽やかな風が吹き込んできた。
それは天の道を往く者が来た合図だった。

米村正二『仮面ライダーカブト』決戦!3 本文 天道ひより 天道樹花 風間大介 ゴン(百合子) 天道総司 より

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