土佐人 2015-05-26 05:15:51 |
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さて、この悪い流れをここらへんで断ち切ろうとして、僕は冷泉深雪を指さした。
「こちらが公衆衛生の実習で桜宮の死因究明制度について一緒に勉強した超絶優等生、冷泉深雪さんです」
「深雪さんという名前だと、あだ名はミユミユ、あたりかな?それにしても天馬クンてば、いつでもどこでも両手に花だね、ヒューヒュー」
白鳥は指笛を吹いた。いや、正確に描写すれば、指笛ができないものだから、両手の人差し指を口につっこんで、自分の口でひゅーひゅーと喋っただけだけど。
今時小学生でもそんなことはしないだろうに。げんなりして白鳥を見ると、田口センター長も、僕と同じような表情をしていたので、思わず笑ってしまった。
ふと隣を見ると、冷泉深雪のツイン・シニョンの髪型はか**ちんのシャーベットみたいに固まっていた。この手のラフ・ファイトはたぶん初体験だったのだろう。その戸惑った表情は新鮮で、何だかいつもより可愛く見えた。
海堂尊『輝天炎上』24章 田口センター長、登場 本文 天馬大吉 冷泉深雪 白鳥圭輔 田口公平 より
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