土佐人 2015-05-26 05:15:51 |
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「…………」
堰を切ったように氷川はまくし立てた。
「あなたはどんな人間なんです?いつどこで、何をどうして変身できるようになったんですか?あなたの力の源はなんなんです?」
「なぜそんなことを聞く?」
「それは警察官として当然……いえ、たぶん……」
「たぶん何だ?」
「僕も、アギトのようになりたいのかもしれません」
(略)
「葦原さん……」
廊下の一方から声がかかった。
振り向く二人の前に佇んでいたのは沈んだ顔をした翔一だった。
「おれ、どうしたらいいかわからないんです」
思い詰めた表情で翔一が言う。
「……葦原さんがおれを裁きたいなら、裁いてください」
「何……?」
「津上さん、何を……?」
「お願いします……」
自分からやられに来るなんて……おかしなヤツとは思っていたが、正真正銘のバカだ……こいつ、本当に犯人なのか……?
涼の顔に戸惑いが浮かんだ。
涼はドアを開け、翔一と氷川を招き入れた。
岡村直宏『仮面ライダーアギト』第四章 津上翔一 氷川誠 葦原涼 より
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