土佐人 2015-05-26 05:15:51 |
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「ねぇ、真魚ちゃん、もし過去を思い出して、おれが凶悪な犯罪者だったりしたらどうする?」
翔一は菜園で作業を続けながら真魚に尋ねた。もちろん本気ではない。なんとなくの冗談に近い質問だった。
ホウレンソウを眺めていた真魚は翔一を見上げた。
「意外と大金持ちのおぼっちゃまかもしれないよ。そしたら結婚してあげる」
「う〜〜ん、結婚はけっこんです」
『結構』とかけたダジャレだった。
ムッとして真魚は立ち上がった。
「つまらない……って、いつもつまらないけど、いちばんつまらない」
そう言い残して家の中に姿を消した。
けっこんいいダジャレだと思ったんだけどなぁ……。
翔一は懲りずに『結構』とかけて一人笑った。
岡村直宏『仮面ライダーアギト』第一章 本文 津上翔一 風谷真魚 より
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