土佐人 2015-05-26 05:15:51 |
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「決まってるさ。エーアイセンター潰しのためさ」
「何でもかんでも話をそこに持っていけば済むと思ったら、大間違いぜよ」
噛み付いた宇佐見警視に白鳥は言い返す。
「元警察庁の刑事局長が、寿命が短いことを知りながらわざわざこんな片田舎のエーアイセンターの副センター長に天下りした。会議ではエーアイセンター創設に疑義ばかり投げる。どう見ても、センター創設を食い止めるためでしょ」
「ひょっとしたら北山元局長は自分の病気を知らなかったかのかもしれんぜよ」
宇佐見の反論を、白鳥は一蹴する。
「助手が調べたらちゃんと病院に通ってた。そして担当医が告知した裏付けも取れてる」
「喋った医者は、個人情報保護法違反ぜよ」
「ウサちゃんなら知ってると思うけど、死者は個人情報保護法の適用外なのさ」
海堂尊『アリアドネの弾丸』33章 論理迷宮からの脱出 本文 白鳥圭輔 宇佐見壮一 より
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