土佐人 2015-05-26 05:15:51 |
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シモンズは、このときだけいつもの芝居がかったしゃべり方をやめ、抑揚を消した誠実な口調で言った。
「それはもうやられたよ」
ミアリングは言い返せなかった。
シモンズは穏やかに続けた。
「呼んでくれてありがとう、奥様(マーム)」
そして車椅子をまわし、遠くで待つダッチのほうへころがしていった。
だれにも認めるつもりはなかったが、彼女はシモンズから----シモンズだけからは----“マーム”と呼ばれてうれしかった。
ハヤカワ文庫『トランスフォーマー ダークサイド・ムーン』フロリダ 本文 シーモア・シモンズ シャーロット・ミアリング より
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