土佐人 2015-05-26 05:15:51 |
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ロンは息子をじっと見た。
「そのとおりだ、サム。議論の余地はないぞ」
サムは逆の意味で同意した。
「そうだ、議論の余地はない。ここではぼくが主役なんだ。だから二人ともぼくの言うとおりにして。立ち止まっても隠れてもいけない。安全な場所まで逃げて。あとで探しにいくから。わかったね?ぼくはやるべきことがある」
ロン・ウィトウィキーは息子を見た。断固とした態度で話すこの若者はいったいだれだろう。つい先日大学へ送り出した、不安げで臆病なほどだった若者だろうか。視線を移し、そのかたわらに黙ってそびえる黄色と黒の機械生命体を見上げた。なるほど、息子は変わったのだ。新しい姿になったのだ。
どうやら、トランスフォームするのはエイリアンのロボットだけではないらしい。
ハヤカワ文庫『トランスフォーマー/リベンジ』本文 サム・ウィトウィキー ロン・ウィトウィキー より
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