土佐人 2015-05-26 05:15:51 |
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ALECEを完全に目覚めさせる為には“チュシャ猫”には彼女の存在に気が付いてはいけない。片思いが両思いになっては、恋愛の過程はそこで終わってしまう。両思いになった瞬間から、両者が互いに頼りあってしまうからだ。両思いへ進むまでの間、人間ならば男でも女でも、好きな相手に良く思われようと自分を磨く努力をする。それは相手に頼ることでは無い。自分に“魅力”を備えることなのだ。これを利用してALECEを自立させようというのが、ALECEに意思を持たせるための教育の第二段階における目的だった。だが、この恋愛は決して両思いにならない様に仕組まれている。いわば計画的な片思いである。
けの疑似恋愛はALECEが完全に自立するまで、なんとしても続けさせなければならない。ALECEは封印されてるという言葉が嘘で有ると分かった以上、いまさら彼女を封印してしまいのは危険だった。彼女にここで失恋されて自暴自棄になられては困る。ALECEは失恋してはならないのだ。自分から恋愛にさめてしまう。相手に飽きてしまようにならなければいけないのである。
高橋昌也『ガンダム・センチネル ALECEの懺悔』第十一章 目標、ペンタ 本文 より
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