土佐人 2015-05-26 05:15:51 |
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「ねぇ、ママ。ガンダムはボクたちの敵なの?ガンダムはボクたちを殺しに来るの?」
行政部のロビーのモニターに映し出されている戦闘の模様を見入ってた男の子が、まだ若い母親に尋ねていた。その子の手には塗料が剥げた「一年戦争」のヒーロー、金属製の“RX-78ガンダム”の玩具が握られていた。尋ねられた母親、何も答えられないで男の子を固く抱き締めて泣くだけだ。男の子は自分の母親泣かせてしまったヒーローの玩具を力一杯、ロビーの壁に叩き付ける。たが、ガンダムの玩具は壁に当たっても壊れなかった。
通信士その玩具を拾い上げると、男の子に手渡してやり、言った。
「もう終わったんだよ。ガンダムは正義の味方さ……。ボクたちを殺しに来るわけが無いだろう? 」
高橋昌也『ガンダム・センチネル ALICEの懺悔』第十章 ネオ・ジオンの影 本文 より
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