土佐人 2015-05-26 05:15:51 |
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「ともかく、立て。上着を捜しだして、熱いコーヒーでも飲むといい。酒をを飲むと体調が悪くなる。風邪でめ引いたらたいへんだ」
しふしぶのていで、デイヴィットは立ち上がった。
が、そこで急に身をこわばらせ、なにかを考えるような顔になった。唇がひくつき、笑みのようなものを形作っていく。
「……いま、なんていった?」
「信仰のことか?人間というやつは、ときどき自分の人生を……」
「そうじゃない、そのあとだ。そのすぐあとにいったことだ」
「なんだ?風邪を引くということか?」
「そうだ、そいつだ!それが答えだ。病気。風邪。風邪をひけば抵抗力が落ちる!ごく簡単なことじゃないか。とうさん、とうさんは天才だ!」
ジュリアスはまじまじと息子を見つめた。とうとういかれちまったんじゃないだろうな……?
映画『インデペンデンス・ディ』小説 24 ひとすじの光明 デイヴィット・レヴィンソン ジュリアス・レヴィンソン より
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