桃亜 2015-04-30 21:55:36 |
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お預け
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僕達は付き合って二年が経ち、今はカルマの家にお邪魔している。
今日はバレンタインの日だ。
ベットに寄っかかって話していると、カルマがチョコを差し出してきた。
「渚。これバレンタインチョコ」
ありがとう。と言い中を開けるとチョコの香りがゆっくりと広がってきた。
意外だったがカルマは料理が上手で去年もチョコをくれたのでお返しは家で、と約束をした。
「今年もカルマが作ってくれたの?」
「そうだよ。感想、聞かせて」
そう言われチョコを口に持っていった。
口に入れると鼻に甘い香りが広がり、舌にバランスが良い苦味と甘みが広がった。
美味しい。今凄い幸せだなぁ、カルマからチョコを貰って、こうやって……顔を近付けておでことおでこをくっ付けてチョコを口に含む。そっとカルマの胸に手をやると胸の振動が伝わってきた。こんなにも僕で緊張してくれて顔を真っ赤に染めて、
本当に可愛い。
唇と唇を付けてカルマの後頭部を軽く押さえた。チョコが口の中で混ざり合いとても甘かった。
舌で歯をなぞったり、差し抜きをすると相手の身体が少し跳ねるのが面白い。
しばらくするとカルマから肩辺りをくすぐったい位の力で叩かれ、その方に顔を向けると目が虚ろになりながら口の周りは唾液だらけの様子のカルマが居た。
自分はこの後を考えながら夢中になり過ぎてしまった様で。
「あ、カルマごめん! 大丈夫?」
カルマは肩を上下しながら息をしていた。
落ち着くまで背中をさすっていると小さい声が聞こえた。
「……感想」
あの時、夢中になって忘れていた。感想をゆっくり述べていくとカルマの顔が緩くなったり、照れたりして面白かった。
残りの時間は勉強をしたりゲームをしたりした。
そんな楽しい時はすぐに過ぎ帰る時間になっていた。
そろそろ帰ると伝えようとするとその前にカルマが口を開いた。
「渚....君。お返しは三倍だよね?」
嗚呼、そういう事か。一年前は返せもしなかったからね。
相手からお返しを求められた時、声が少し震えていた。緊張していたのか怖いのかは分からかった。だが僕はその事を否定した。そんな気持ちでするものでは無いから。
「もう大丈夫? カルマ君」
「ん、早く。お願い....」
カルマはとろんと溶けそうな瞳で顔をほんのり紅くさせながら、僕の方が背は低いのにベットに横になって上目遣いで見てくるものだからドキドキしながら抱きしめた。
でも聞いておきたい事がある。
「お返しなのに....また、貰っちゃっていいの?」
耳元で囁く様に言うとすぐに返事が返ってきた。
「いいよ。俺も貰うし」
その言葉に返事をして、カルマの顔を見た。
その甘い甘い香りに、ぎゅっと抱きしめて今夜は可愛く遊んだ。カルマの家に泊めてもらう事にして。
僕は胸焼けしそうな甘ったるい匂いは経験済み。
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